2025.9.29 矯正相談集

「指吸いと出っ歯が気になる…」とご相談いただいたH.Sさん(5歳・男の子)のケース

「指しゃぶりのクセが歯並びに影響していないか心配」「前歯が出ている気がする」など、小さなお子様の歯並びや口腔習慣に不安を抱える親御様は多くいらっしゃいます。

今回は、出っ歯傾向や指しゃぶりを気にされて来院された5歳の男の子、H.Sさんとの初診時のやり取りをご紹介いたします。単に歯を並べるだけではない、お口の周囲筋や呼吸、癖の改善も視野に入れた当院の治療方針についてもお伝えします。

患者様情報

年齢5歳
性別男の子

初診時の画像診断

出っ歯傾向が見られました。指吸いも原因の一つと考えられました。

上の歯並びは全体的にスペースが多く見られました。

ご相談のきっかけ

H.Sさんのお母様は、「かかりつけ医で出っ歯と過剰歯の存在を指摘され、気になって来院しました」とお話くださいました。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今日はどういったことが気になっていらっしゃいますか?

はい。前歯が出ているような気がしていて…。それと、指しゃぶりもまだ続いているので心配で…。

なるほど。実際にお口の中を拝見すると、確かに上の前歯がやや前方に傾いてきている印象があります。ただし、出っ歯の度合いとしては中等度、もしくはやや軽度寄りといったところです。重度ではありませんので、今から正しい環境を整えていけば改善は十分可能です。
また、上下の歯並びの隙間についてもご心配かもしれませんが、5歳という年齢では、これから生えてくる永久歯のサイズを考慮すると、隙間があるのはむしろ「良い状態」です。将来的な歯のスペース確保につながります。

指しゃぶりはどんな影響が出ていますか?

指しゃぶりに関しては、前歯の傾きや歯並びのバランスにも影響を及ぼしますが、H.Sさんの場合、前歯の軸がそこまで強く前傾しているわけではないので、現時点では大きな問題にはなっていません。ただし、このまま癖が続くと将来的に影響が出る可能性があります。
プレオルソをつけることで夜間の指しゃぶりはできなくなるので、指しゃぶりの癖も改善傾向を示すと思います。

過剰歯はどうですか?

過剰歯についてもCT画像でしっかりと確認させていただきましたが、過剰歯はありません。現在生えている乳歯と、その下に控えている永久歯も全て揃っており、本数にも問題はありませんでした。

わかりました!ありがとうございます。検査の予約をとって帰ります。

まとめ

H.Sさんのケースでは、

軽度〜中等度の出っ歯傾向と、指しゃぶりの癖が見られること
今後の歯の生え変わりや顎の成長に合わせて、口腔周囲筋のトレーニングを含む早期の環境づくりが重要であること

という診察結果となりました。

今回の診察では、「出っ歯が気になる」「指しゃぶりがやめられない」といった見た目や癖に関するお悩みだけでなく過剰歯の有無、今後の成長に伴う変化までを見据えた多角的なご説明を行いました。

小児期の矯正では、歯を直接動かすことよりも、正しい発育を促すための“土台作り”が非常に重要です。H.Sさんの場合、マウスピース型矯正装置「プレオルソ」を使用し、舌や唇、頬といったお口周りの筋肉バランスの改善と、指しゃぶりの抑制を図ることで、自然な歯並びや呼吸習慣へと導いていくことが期待されます。

早期の取り組みにより、将来的により複雑な矯正治療を避けられる可能性もあります。お子様の歯並びや癖について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。お子様にとって無理のない、最適なタイミングと方法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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