Orthodontic Plate

床矯正

お子さまの歯並びの問題は、永久歯を抜かずに、大きな痛みを伴わずに解決できる可能性があります。顎の成長期を利用する床矯正(しょうきょうせい)は、自然な方法で歯をきれいに並べるためのスペースを確保できます。お子さまの心身への負担が少ない矯正治療をご希望の方は、なおき矯正歯科・小児矯正歯科までご相談ください。

床矯正とは?

床矯正とは、プラスチック製のプレート(床)と金属製のワイヤー、拡大用のネジなどから構成される取り外し式の矯正装置です。一見すると歯並びを維持する保定装置(リテーナー)に見えますが、歯列や顎の骨を拡大することが可能です。そのため、床矯正装置は「拡大床(かくだいしょう)」とも呼ばれています。

床矯正装置の取り扱い方法

装着時間

床矯正装置は、お子さまご自身に着脱していただきます。1日10時間以上の装着が基本で、装着時間が長ければ長いほど、より高い矯正効果が期待できます。幼稚園や学校での装着がお子さまのストレスとなる場合は、ご自宅で最低限の時間を守っていただくだけで問題ありません。しかし、決められた装着時間を下回ると、適切な矯正効果が得られないだけでなく、歯が意図せぬ方向に移動する、装置が壊れる、治療期間が延びるといったトラブルを引き起こしやすくなるため、十分な注意が必要です。

使用方法

床矯正装置の中央部には、拡大用のネジが設置されています。このネジを専用の器具を使って回します。ネジを回す回数やタイミングは、お子さまの歯並びの状態によって異なるため、歯科医師の指示に必ず従うようにしてください。通常はネジを1日1回90度回します。ネジを回しすぎると、過度な矯正力がかかり、強い痛みが生じることがあります。

床矯正を始める時期・年齢は?

床矯正は、お子さまの顎骨の発育が旺盛な時期に始めるのが適しています。一般的には小学生の低学年くらいから始めるのが一般的ですが、お子さまの歯並びや顎の骨の状態によっては、4歳くらいから始めた方が良いこともあります。そのため、床矯正を始める時期は年齢だけにとらわれず、矯正治療の必要性を感じた時点でご相談いただくことが望ましいです。

床矯正で治療するメリット・デメリット

メリット
  • 永久歯を抜く必要性が低くなる

    床矯正の最大のメリットは、顎の発育を促せる点です。発育が遅れている顎骨の幅を広げたり、歯列を拡大したりすることで、永久歯をきれいに並べるのに必要なスペースが確保されます。その結果、健康な永久歯を抜かずに正常な歯並びや噛み合わせを獲得できる可能性が高まります。お子さまにとって健康な永久歯を抜かずに済むことは、何にも代えがたい大きなメリットとなります。

  • 幼稚園や学校でつけなくても良い

    床矯正は1日10時間以上装着すれば良いため、必ずしも幼稚園や学校でつける必要はありません。周りの友達に気づかれずに歯並びを治療できることは、お子さまのストレスの軽減につながります。

  • 食事がしやすい

    小学生は、全身の発育はもちろんのこと、食育という観点でも重要な時期となります。この時期に食事への制限がかからないことはとても有益です。床矯正なら装置を外した状態で食事ができます。

  • 歯磨きしやすい

    床矯正装置は、歯磨きの際にも取り外せます。そのため、普段通りの歯磨きが行えて、磨き残しも少なくなります。それに伴いむし歯や歯周病になるリスクも低下します。

  • 痛みが出にくい

    床矯正は、顎骨が発育する力を利用する治療法なので、通常の矯正治療と比較して痛みが出にくいです。ワイヤーやブラケットが粘膜を傷つけるようなトラブルも起こりません。

デメリット
  • お子さまの協力が不可欠

    お子さまが床矯正の必要性を理解していないと、装着を怠る可能性が高くなります。1日10時間以上という装着時間を守れない場合は、適切な矯正効果が得られず、治療も成功しないことがあります。

  • 歯並びを細かく整えることはできない

    床矯正に期待できるのは、顎や歯列の拡大です。デコボコに乱れた歯並びを細かく整えることはできません。ケースによっては、一部の歯の方向がズレたり、歯列の部分的な乱れが生じたりするリスクを伴います。

  • 将来的に抜歯が必要になることもある

    骨格的な異常が大きい症例では、床矯正による顎の拡大だけで根本的な問題を取り除けないことがあります。その場合は、2期治療で抜歯が必要になるかもしれません

  • 後戻りすることがある

    床矯正は、歯列矯正よりも後戻りが起こりにくい治療法ですが、口腔周囲筋の使い方に問題があったり、悪習癖が治らなかったりすると、後戻りが起こりえます。当院ではこうした床矯正後の後戻りを防ぐために、お口周りの筋肉を鍛え、悪習癖を取り除くMFT(口腔筋機能療法)を行っています。

床矯正に関するQ&A

Q 床矯正は何歳から受けられますか?
A

小学校の低学年から始めるのが一般的です。 この時期は永久歯への生え変わりが始まる時期でもあり、顎骨の発育も旺盛なので、床矯正を始める時期として適切です。ただし、お子さまのお口の状態によっては、4~5歳から始めることもできます。

Q 装置をつけた時の違和感は大きいですか?
A

違和感はそれほど大きくありません。 ほとんどのお子さまは、1週間程度で慣れます。始めのうちは違和感で嫌がるかもしれませんが、お子さまは適応力が高いので、過剰に心配する必要はないかと思います。

Q 床矯正に痛みは伴いますか?
A

我慢できないほど強い痛みが生じることは稀です。 なぜなら床矯正は顎と歯列を比較的弱い力でゆっくりと拡大する装置だからです。矯正を始めて間もない頃やネジを回した直後は、やや痛みが強く現れますが、一般的な矯正治療と比較するとその程度は低いです。

Q 床矯正にかかる期間はどのくらいですか?
A

標準的な症例で半年から2年程度です。骨格や歯並びの症状が強い場合は、もう少し長い期間を要することがあります。また、お子さまの協力度によって、治療期間が変わる点にもご注意ください。

Q 床矯正で永久歯を抜くことはありますか?
A

床矯正のために永久歯を抜く可能性はほぼゼロです。 床矯正の結果、顎骨の発育が正常に進めば、2期治療での抜歯の必要性も低下します。不正咬合が重篤で、床矯正だけでは十分な効果が得られなかった場合は、2期治療で便宜抜歯を行うかもしれません。いずれにしても床矯正では永久歯を抜かないことを目標にしています。

お子さまの歯並びに関するご相談はお気軽に

お子さまの歯並びは、健やかな成長や将来の健康に大きく影響します。床矯正は、お子さまの成長期を最大限に活かし、身体への負担を抑えながら理想的な歯並びへと導くことが可能です。少しでもお子さまの歯並びについてご不安な点やご希望がございましたら、なおき矯正歯科・小児矯正歯科までお気軽にご相談ください。お子さま一人ひとりのお口の状態を丁寧に拝見し、最適な治療プランをご提案させていただきます。

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