2025.11.15| 矯正相談集
「将来のガタつきが心配…」とご相談いただいた K.Mさん(6歳・女の子)のケース
「下の前歯が生え替わってきたけれど、隙間が足りない気がする」「この年齢からできることはある?」——
生え替わりが始まる6〜7歳は、将来の歯並びを左右する大切なタイミングです。
今回は、前歯の生え替わりに対して顎の幅・スペース不足を心配されて来院された6歳の女の子、K.Mさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
“歯をきれいに並べる”前段階として、顎の成長を促し、良い口腔機能の土台を整える当院の方針についてお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 6歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の前歯の生え替わりがスタートしています。
下の前歯にガタつきがあります。
ご相談のきっかけ
かかりつけの歯科医院で生え替わりに関する説明を受け、「この時期にできること」を知りたいとのことで当院へお越しいただきました。
検査では、前歯部のスペースがやや不足し、上下歯列の弓形(アーチ)がやや狭いことがわかりました。
骨格的な大きなズレはなく、将来のガタガタ(叢生)を予防する“土台づくり”が最優先であると判断しました。
患者様との実際のやり取り
今回はどうされましたか?
下の前歯が生え変わってきたんですが、場所が狭そうで…。
このままちゃんと並んでいくのか心配で相談に来ました。
そうだったんですね。実際にお口の中を見てみると、確かに前歯が生えるためのスペースが足りないですね。
歯のアーチ(顎の幅)が狭いと、どうしてもガタつきが出やすくなります。
やっぱりそうなんですね…。今からできることってあるんでしょうか?
はい、6歳という年齢は“お口の中の環境を整えるには良い時期”なんです。
プレオルソというマウスピース型の装置を寝るときと日中1時間つけていただくことで、顎の幅をやさしく広げることができたり、舌の位置(スポット)を正しい場所へ誘導する、口呼吸の予防など、歯が並ぶための“土台”を整えていきます。
装置をつけるのって、しんどくないんですか?
最初は気になってしまう子も多いですが、だんだん慣れて普通に寝られるようにな。
昼間も1時間ほどつけてもらいますが、テレビを見ている時間や、本を読んでいるときに装着してもらうと続けやすいです。
なるほど…。でも、これだけで矯正が必要なくなることはありますか?
プレオルソは“本格矯正(ワイヤーやマウスピース)を減らす・軽くするための治療”と考えてください。
顎の成長期にうまく誘導してあげることで、将来的なガタつきや出っ歯・受け口のリスクを下げることができます。
ただ、ガタつきが軽度な方は プレオルソで十分満足されて、その後本格矯正が不要になるケース もあります。
詳しくありがとうございます。家族とも検討します。
まとめ
・前歯の生え替わりに対して、歯が並ぶためのスペース不足が予測されること
・将来的な歯列不正を防ぐために、顎の成長を促進し、お口の機能を整えるプレオルソによる早期介入が有効であること
という相談結果になりました。
今回の診察では、見た目としての「前歯が窮屈に見える」という心配だけでなく、
顎の幅・舌の位置・口唇の筋力といった機能面の成長、
さらには8歳以降に必要となり得る本格小児矯正へのつながりまで、
将来的な安定性と自然な仕上がりを見据えたご説明を行いました。
小児矯正では、単に歯を動かすだけでなく、
顎の成長を利用して“歯が並ぶ環境を整える”ことがとても重要です。
お子さまの生え替わりや将来の歯並びに不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
成長段階に合わせて、無理のない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
