2025.12.25 矯正相談集

「受け口っぽい気がして…」とご相談いただいたS.Tさん(7歳・男の子)のケース

「前歯が反対っぽい」「下の歯が前に出ている気がする」「ガタガタも心配」…
お子様の歯並びで、特に“受け口(反対咬合)”を疑うと不安になる親御様は少なくありません。

今回は、「受け口かもしれない」と感じて来院された7歳の男の子、S.Tさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。単に歯を並べるだけでなく、顎の成長(骨格)まで含めて長期的に考える当院の相談内容についてもお伝えします。

患者様情報

年齢7歳
性別男性

初診時の画像診断

上下の前歯の関係が受け口傾向です。

上の前歯の真ん中に隙間(正中離開)があります。また、上の前から2番目の永久歯がまだ生えてきていません。

ご相談のきっかけ

S.Tさんは、歯科医院で定期的なクリーニング・チェックは受けていたものの、矯正としての詳しい検査(横顔レントゲン等)や骨格の分析はまだ行っていないとのことでした。

親御様としては、

  • 下の歯が前に出てきそうで心配
  • 上の歯のスペースが足りない気がする

といった不安があり、一度専門的に診てもらいたいとご相談くださいました。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今、一番気になっているところを教えてください。

受け口っぽいのが気になります。あとガタガタも出てきそうで…。

まず歯並びから見ると、正面だと分かりにくいのですが、横から見ると下の前歯が上の前歯と同じくらいの位置にきています。今後、噛み込み方によっては反対咬合が進んでいく可能性があります。

下の歯のガタガタも気になります。

下の前歯も少し斜めに入ってきています。ただ、実は“場所が足りない”という意味では、下よりも上の方がスペース不足が大きいです。
上の前から2番目の乳歯はすでに抜けてしまっていますが、そこのスペースには永久歯がこれから生えてきます。入る歯の本数を考えると、上顎はかなりガタガタが出そうです。

受け口はどうですか?

レントゲンで骨格を確認すると、横顔のレントゲンでは上顎と下顎のバランスについて、下顎が標準よりも前寄りに見えます。
つまり歯だけの問題ではなく、骨格的にも受け口傾向がある可能性があります。

今つけている装置は、このままで良いのでしょうか?

今の装置は、歯の軸(傾き)を整えることはできますが、骨格の成長をしっかりコントロールする治療ではありません。
受け口は“歯”だけでなく“骨格”が関わるケースが多いので、必要があれば土台(顎)から考える必要があります。
受け口は遺伝の影響も受けやすく、成長によってこれからも変化します。多くは歯の軸や上顎の成長を手助けすることで改善を狙えますが、まれに下顎の成長が予想以上に強く出ることもあります。
その場合は大人になってから外科手術が必要になるケースもありますが、現時点でそこまで決めつける必要はありません。

今7歳ですが、始めるなら早い方がいいですか?

骨の成長を利用してできることは、だいたい10歳くらいまでが勝負です。
今7歳であれば、10歳まで2〜3年しっかり時間が取れるので、成長コントロールを行うには良いタイミングです。

そうですか。まずは検査を受けて、きちんと方針を聞きたいです。

まとめ

S.T.さんのケースでは、
「前歯部の反対咬合傾向(受け口の兆候)」と「上顎のスペース不足」に対して、成長期のうちに骨格(顎の成長)と歯の軸の両面からアプローチする小児矯正が有効であること
・受け口は歯の傾きだけでなく顎の成長バランスが関与するため、見た目だけで判断せず、骨格の原因(上顎の成長不足か/下顎の成長過多か)を見極めたうえで治療計画を立てることが重要であること

という相談結果になりました。

今回の診察では、正面からは強い受け口に見えにくいものの、横からのかみ合わせでは下の前歯が前方に位置している点や、上顎の歯列に将来的なスペース不足が疑われる点など、「歯並び」だけではなく「顎の成長」を含めた総合的な評価を行いました。加えて、現在使用されている装置が主に歯の軸の誘導を目的とする一方で、骨格的な要因に対する介入には限界があることも踏まえ、必要であれば土台(骨格)から整える治療が選択肢になることを丁寧にご説明しました。

小児矯正では、単に前歯を並べるだけでなく、顎の成長を利用して噛み合わせの土台を整えることが非常に重要です。特にS.T.さんのように、受け口傾向が疑われるケースでは、上顎の成長を促す治療が適応となる時期が限られており、10歳前後までの成長期に適切な評価と介入を行うことが将来的な選択肢を広げるうえで大切になります。

お子さまの「受け口っぽい」「前歯が反対に当たりそう」「上の歯が入りきらない気がする」などの不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。成長段階と生活スタイルに合わせて、無理のない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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