2026.2.19 矯正相談集

「口元とガミースマイルを、もう少しきれいにしたくて…」とご相談いただいたA.Mさん(26歳・女性)のケース

「前歯のガタガタが気になる」「出っ歯っぽいと言われた」「笑うと歯ぐきが見えるのも気になる」…
成人矯正では、歯並びだけでなく 口元の印象(横顔・Eライン)やガミースマイルまで含めて、どこをゴールにするかを一緒に決めていくことが大切です。

今回は、すでに他院でも相談経験があり、「抜歯の本数」や「ワイヤー/マウスピース」などで迷われていた 26歳女性 との初診相談時のやり取りをご紹介します。
当院の治療方針としては、口元の引き込み過ぎを避けつつ、口元・噛み合わせ・ガミースマイルを総合的に整えることを重視してご説明しました。

患者様情報

年齢26歳
性別女性

初診時の画像診断

上下の前歯は前後的に距離があり、出っ歯の傾向があります。奥歯の関係性も歯1本分出っ歯傾向です。

上下の歯並びにガタガタがあります。咬み合わせも深いです。右の奥歯は上下で噛み合っていない歯があります。

ガミースマイルです。

ご相談のきっかけ

A.Mさんは、すでに複数の医院で矯正相談をされており、

  • 「抜歯が必要かもしれない」
  • 「抜歯は上だけ2本と言われた/上下4本と言われた」
  • 「ワイヤーでもマウスピースでもできると言われた」
    など、意見が分かれて悩まれている状況でした。

ご本人としては、以前から 口元をしっかり引っ込めたい気持ちがありつつも、
「引っ込みすぎて老けて見えるのでは?」という情報も目にして、不安があるとのことでした。

患者様との実際のやり取り

今気にされているところは、もう少し口元がきれいになってほしいというところですね。
他院でも相談されていて、抜歯の話も出たと思いますが、まずはゴールのイメージを共有しましょう。

はい、お願いします。

例えば、3番目の歯が外に出ていたり、前歯がガタガタしている方も、きれいに並べることはできます。A.Mさんの歯並びに近いケースもあります。

他の先生からも出っ歯っぽいと言われました。奥歯の話もたくさんされました。

そうですね。A.Mさんは前歯だけが出ているというより、奥歯のかみ合わせが1本分前寄りで、上下がきれいに噛み合っていない状態がベースにあります。
これが前歯の前後差や口元の印象に影響しています。
骨格的に見ても、上顎に対して下顎がやや後ろで、前後差がしっかりあります。
ただ、A.Mさんはあご先の発達がとても素晴らしいので、骨格の数値と違って顔立ちのバランスは非常に良いです。

私はEライン、すごく気にしてます。口元をもっと引きたいです。
でもネットで引っ込ませればいいってもんじゃないって見るので、引きすぎが怖くて…。

そこは、すごく大事な視点です。
引きすぎると、口元が引ける代わりに、ほうれい線が目立つように見えたりすることがあります。
なので当院では、何mm引くかを事前にシミュレーションし、顔貌とのバランスを見ながら引き込み過ぎない設計をします。

それから抜歯は必要ですか?別の医院で上2本と言われたところと、上下4本と言われたところがあって…。

整理すると、選択肢は主にこの2つです。
上2本抜歯する場合は上の前歯を下げやすい。その一方で、下の前歯位置は基本大きく変わりにくいです。
上下4本抜歯場合は上下とも前歯が後方に引けるので、口元を引ける量は大きくなりやすい。噛み合わせも理想に近い関係になる。
どちらが正解、ではなくて、A.Mさんがどこまで口元を引きたいかで最適解が変わります。

私は抜歯自体は大丈夫です。恐怖心はそこまでありません。

それなら、次の診断の回で上2本と上下4本を両方のシミュレーションを見て、
唇がどれくらい動くか、噛み合わせがどう変わるか、リスクは何かを数字も含めてご説明します。
シュミレーションをまず見てから決めるのが一番納得できると思います。
あと、気にされていたガミースマイルですが、2〜3mm程度は十分に改善できます。
無闇に治すというよりも、何mm改善するか相談して決めていきましょう!

ガミースマイルも矯正で改善しますか?

ある程度改善できます。ただ、ガミースマイルの上げる動きは、マウスピース単独だと苦手なことが多いです。
また、ガミースマイルを改善する場合は、インプラントアンカー(矯正用の小さなネジ)を使うと精度が上がります。

ネジはちょっと怖いです…。

見た目は怖く見えますが、麻酔をするので打つ時の痛みはほとんどありません。
むしろ歯を抜く方が処置としては大きいので、痛みはネジの方が軽いです。

あと、仕事で1日5〜6時間話すので、ワイヤーでしゃべりにくくなるのが怖いです。

実はしゃべりやすさだけで言うと、マウスピースの方がしゃべりにくいと感じる人も多いです。
ワイヤーは慣れると会話の支障は少なく、むしろ注意点は歯磨きです。
A.Mさんがガミースマイル改善や上下の抜歯をしていくなら、ワイヤー矯正をお勧めします。
上だけ抜歯ならマウスピースでも治療可能ではありますが、上下抜歯はワイヤーがお勧めです。

わかりました。診断の予約をして検討します。

まとめ

A.M.さんのケースでは、
「上下のかみ合わせが1歯分前方にずれている(臼歯部のズレ)」ことに伴う出っ歯感と、「前歯のガタつき・ねじれ」に対して、噛み合わせの位置関係も含めて全体を整える矯正治療が有効であること
・さらに、
「口元をどこまで引きたいか」という審美的な希望によって、抜歯本数(上2本/上下4本)や治療ゴールが大きく変わるため、顔貌やかみ合わせとのバランスを見極めながら治療計画を立てることが重要であること
という相談結果になりました。

今回の相談では、見た目としての「前歯のガタガタ」や「出っ歯っぽい印象」だけでなく、奥歯の噛み合わせが前方にずれていることが前歯の前後差の背景にある点、CT(横顔)で確認できる骨格的な前後差、そして顎の発達が良好であるために“骨格の数値ほど口元が崩れて見えていない”というA.M.さんの特徴まで含めて、総合的な評価を行いました。
そのうえで、抜歯による前歯後退の効果だけでなく、引き込み過ぎによる印象変化(ほうれい線・口元のくぼみの見え方など)の可能性についても触れながら、「何mm引くのが適切か」をシミュレーションで確認したうえで治療方針を決める必要性を、多角的にご説明しました。

成人矯正では、単に歯列を整えるだけでなく、噛み合わせの安定・横顔のライン・口元の印象まで含めて全体のバランスを整えることが重要です。
特にA.M.さんのように、抜歯の有無や本数によって「口元の変化量」や「奥歯の仕上げ方」が大きく変わるケースでは、ワイヤー矯正・マウスピース矯正それぞれの得意不得意も踏まえつつ、必要に応じて矯正用アンカースクリューを併用することで、無理なく理想的な仕上がりを目指すことが可能です。

口元の印象やガミースマイル、抜歯本数で迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご自身にとって無理のない“ちょうど良いゴール”を、一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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