2026.3.4 矯正相談集

「ガタガタと、前歯のすき間が気になって…」とご相談いただいたH.Tさん(9歳・女の子)のケース

「前歯のすき間が気になる」「歯が少しガタガタしてきた」…
9歳前後は生え変わりが一気に進む時期で、歯並びが変化しやすく、不安を感じる親御様も少なくありません。

今回は、過去に矯正の話を聞いたことはあるものの「まだ早いかも」と様子を見ていた中で、生え変わりが進んできたタイミングで再度ご相談に来られた 9歳の女の子 との初診相談時のやり取りをご紹介します。
ただ歯を並べるだけではなく、成長期だからこそできる“顎を広げてスペースを作る治療”まで含めて、長期的に考えた当院の治療方針をお伝えします。

患者様情報

年齢9歳
性別女性

初診時の画像診断

上下の前歯の歯並びがガタガタしています。

永久歯への生え替わりが徐々に進んできている時期です。

ご相談のきっかけ

H.Tさんは、以前別の歯科医院で「矯正をした方がいいかも」と言われたものの、当時はまだ生え変わり途中で、まずは様子を見たとのことでした。その後、別の医院では矯正治療の必要はないと言われ、矯正治療を進めるべきか迷っているとのことでした。
その後1年ほど経過し、前歯の横の歯や奥歯も動き始め、生え変わりが一気に進んできたことで、

  • 「前歯のすき間が気になる」
  • 「ガタガタも少し出てきそう」

という不安が強くなり、改めて矯正相談に来院されました。

患者様との実際のやり取り

今日は来てくれてありがとうございます。
以前、矯正の話を他院さんでもされたことがあるんですね。

はい。その歯科では矯正をやった方がいいかもと言われました。
ただ、その時はまだ生え変わりが途中だったので“もう少し生えてきてから”と言われて…。

そうだったのですね。矯正治療をスタートするタイミングは難しいですよね。
今9歳なので、ここから1年くらいで生え変わりが一気に進みます。実際、左上の歯は抜けそうで色も変わってきています。

はい。だから今のタイミングで、ちゃんと見てもらいたくて…。

今の歯並びの状態は骨格から大きくずれているわけではありません。
出っ歯や受け口とではありませんが、顎のサイズの横幅が小さいため、歯並びにガタガタが出てきている状態です。
気になっているガタガタが“勝手にきれいに並ぶか”と言われると、残念ながら自然に改善することはありません。
矯正で整えてあげると綺麗な歯並びになります。

矯正って子供から始めたほうがいいですか?

矯正は、生え変わり途中に行う“子どもの矯正(一期治療)”と永久歯が全部そろってから行う“大人の矯正(二期治療)”に分かれます。
H.Tさんの今の状況は、“子どもの矯正(一期治療)”だけでも満足できる仕上がりに近づけられる可能性があります。
前歯はしっかり並べられますし、見た目はかなり良くなります。

そうですか。矯正するならどのような流れになりますか?

H.Tさんの場合、歯の本数は揃っていそうで安心ですが、今後永久歯が生えてくると考えると、1〜2mmくらいスペースが足りない場所が出そうです。
12歳くらいまでは上顎の骨がまだ“広がれる構造”なので、装置で横幅を広げてスペースを作ることができます。
子どもの時期に矯正をする最大のメリットがこれです。
大人になると骨が固まって広げられなくなるので、将来同じことをしようとすると、歯を少し削ってスペースを作る必要が出てくることがあります。
なので、なるべく歯を削る負担を減らしたいなら、“今の時期”は矯正をスタートするのに良いタイミングです。

装置はどんなものを使いますか?

装置は大きく分けて2種類から選択できます。ひとつはワイヤーです。外せないため、歯磨きの工夫必要です。
もうひとつのマウスピースは目立ちにくいですが、外せるので自己管理が必要です。

本人はマウスピースに興味があるみたいで…。

この歯並びの難易度なら、マウスピースでも十分対応できると思います。
ただ、外せる分“サボらないこと”が大事なので、そこは一緒に頑張るポイントですね。

期間はどのくらいかかりますか?

もし今始めるなら、前歯が整って“見た目がきれい”になるまでが、だいたい1年〜1年半が目安です。
ただ、その時点ではまだ生え変わりが途中なので、そこから先は3ヶ月に1回程度の経過観察で、12歳頃まで見守ります。

わかりました。次回の診断の予約を取ってかえります。

まとめ

H.T.さんのケースでは、
・「前歯のすき間(正中の空隙)」と「軽度のガタガタ(叢生傾向)」に対して、成長期のうちに歯列の幅を整え、歯が並ぶスペースを確保する小児矯正(一期治療)が有効であること
・将来的に歯を前に出して並べてしまわないように、顎の成長を利用したスペース確保(拡大)を優先し、必要以上に歯を削らずに治療計画を立てることが重要であること
という相談結果になりました。

今回の診察では、見た目としての「前歯のすき間」や「ガタガタが出てきそう」というお悩みだけでなく、現在の生え変わりの進行状況、今後生えてくる永久歯の大きさとスペースの関係、さらにレントゲン上で歯の本数が揃っていることを確認したうえで、将来的にどのような歯並びの変化が起こり得るかを多角的にご説明しました。
特にH.T.さんは現時点で重度の叢生ではないものの、このまま生え変わりが進むと一部でスペース不足が出て外側に生える可能性があり、気になっている部分が“自然に勝手にきれいに並ぶ”可能性は低いため、治療介入の意義があるケースと判断しました。

小児矯正では、単に前歯を並べるだけでなく、成長期だからこそ可能な「顎を広げてスペースを作る治療」が大きなメリットになります。
成人以降は顎の骨が固まり拡大が難しくなるため、同じスペース確保を行う場合でも歯の削合など別の方法が必要になることがあります。そうした将来の負担を減らす意味でも、H.T.さんの年齢は「成長を利用できる良い時期」といえます。

また、小児矯正の段階で前歯の見た目は大きく改善でき、十分満足して一期治療で終了される方も多い一方で、奥歯まで“100点の仕上がり”を目指す場合は、永久歯が生えそろう中学生以降に二期治療を検討する流れになります。
その時点での生活状況やご本人の希望も踏まえながら、無理のないゴール設定を一緒に考えていくことが大切です。

前歯のすき間やガタガタが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
今の段階でできる最適な治療を整理し、ご家庭にとって無理のない治療法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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