2026.3.11| 矯正相談集
「前歯がカチカチ当たる…」とご相談いただいたS.Mさん(6歳・男の子)のケース
「前歯同士がぶつかっている気がする」「このまま受け口にならないか心配」…
お子様のかみ合わせの変化に、不安を感じている親御様は少なくありません。
今回は、前歯同士が強く当たる“切端咬合”を気にされて来院された、6歳の男の子との初診相談時のやり取りをご紹介します。
ただ歯をきれいに並べるだけではない、将来的な受け口傾向まで見据えた当院の治療方針についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 6歳 |
| 性別 | 男性 |
初診時の画像診断



上下の前歯が先っぽ同士で噛み合っており、切端咬合という状態です。
奥歯の噛み合わせも受け口の咬み合わせとなっています。
ご相談のきっかけ
S.Mさんは、「前歯同士が先端で噛み合っていて、このままで大丈夫なのか気になる」ということでご相談くださいました。
見た目として大きく歯並びが乱れているわけではないものの、横から見たときに本来あるはずの“上の前歯が少し前に出る重なり”が少なく、将来的なかみ合わせの変化が心配とのことでした。
また、他院でプレオルソについて聞かれたこともあり、今の年齢で何かできることがあるのかを知りたいというお気持ちで来院されました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
前歯がけっこうカチカチ当たっていて、このままで大丈夫なのかなと思っていて…。
そうですね。今のS.Mさんは、前歯同士が強く当たる「切端咬合」の状態です。
本来は、上の前歯が下の前歯より少し前に出て、帽子みたいに軽く被さるのが自然なんですが、今はその被さりが少なくなっています。
やっぱり少し受け口っぽいということですか?
現時点で重度の受け口ではありませんが、下の歯や下顎が少し前に出やすい傾向はあります。
これからも成長は続くので、今の段階で前歯の位置関係を良い方向に整えておくことはとても大切です。
この年齢でも治療した方がいいんでしょうか?
はい、今のS.Mさんのようなケースでは、早めに前歯のかみ合わせを改善しておくは大切です。
特に、プレオルソのような装置は、前歯の当たり方をやわらげたり、舌や口周りの筋肉の使い方を整えたりするのに向いています。
すぐに大きな矯正をするというより、これからの成長を良い方向に導く準備として考えるとわかりやすいと思います。
プレオルソって、受け口にも効果があるんですか?
はい、軽度の反対咬合や切端咬合では、比較的良好な効果が出やすい装置です。
もちろん個人差はありますが、しっかり使っていただければ、数か月で前歯の噛み合わせに変化が出ることもあります。
特に、生え変わりのタイミングを上手に使うと、より自然に改善していきやすいです。
装着は大変ですか?
最初から完璧にできるお子様は少ないです。少しずつ慣れていくことが多いです。
基本は寝るとき+日中1時間ほどの使用になります。
最初は短い時間から始めて、慣れてきたら夜もつけられるようにしていく流れですね。
なるほど…。今すぐ大きな矯正をするというより、今できることから始める感じなんですね。
その通りです。
今の段階では、プレオルソを使って前歯の関係や口周りの機能を整えながら、今後の成長を見ていくのがよいと思います。
そのうえで、必要があれば将来的に小児矯正へと進んでいくという考え方です。
よくわかりました。予約を取って帰ります。
まとめ
S.M.さんのケースでは、
・前歯同士が強く当たる「切端咬合」に対して、早い段階で前歯の傾きやかみ合わせを整えていくことが重要であること
・成長期の特性を活かしながら、プレオルソなどの機能的矯正装置を用いて、受け口傾向を悪化させないように誘導していくことが有効であること
という相談結果になりました。
今回の診察では、見た目としての前歯のかみ合わせだけでなく、奥歯の関係性や顎の成長バランス、永久歯の発育状況まで含めて、将来的なかみ合わせの安定性を見据えた多角的なご説明を行いました。
小児矯正では、単に歯を並べるだけでなく、成長の力を利用して、上下の顎や前歯の位置関係をより良い方向へ導いていくことがとても大切です。特にS.M.さんのように、現時点では重度ではないものの、将来的に受け口傾向が強まる可能性があるケースでは、早めに機能的なアプローチを取り入れることで、無理なく自然なかみ合わせを目指すことが可能です。
前歯のかみ合わせや受け口傾向が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
お子様の成長段階に合った、無理のない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
