2026.4.4| 矯正相談集
「前歯のガタガタと噛み合わせが深い…」とご相談いただいたH.Sさん(9歳・男の子)のケース
「前歯がガタガタしてきた」「噛み合わせが深い気がする」…お子様の歯並びや噛み合わせに不安を感じている親御様は少なくありません。
今回は、「前歯の叢生(ガタガタ)」と「噛み合わせの深さ」を気にされて来院された9歳の男の子との初診相談時のやり取りをご紹介します。単に歯を並べるだけでなく、成長を見据えた当院の治療方針についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 9歳 |
| 性別 | 男性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
前歯の噛み合わせが深いです。
ご相談のきっかけ
H.Sさんは、「前歯がガタガタしてきていること」と「噛み合わせが深いこと」を気にされて来院されました。
これまでかかりつけの歯科医院では経過観察となっていたものの、明確な治療方針が示されなかったため、矯正専門の診断を希望されご相談に来院されました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
前歯がガタガタしてきているのと、噛み合わせが深いのが気になっています。
そうですね。前歯のガタガタに加えて、噛み合わせがやや深い状態になっています。通常は下の歯がある程度見えるのが理想ですが、H.Sさんの場合は上の歯が大きくかぶさっている状態です。
奥歯の噛み合わせ自体は良好ですが、前歯のスペース不足によって歯並びが乱れています。
自然に治ることはありますか?
ガタガタに関しては、自然に完全にそろうことは基本的にありません。ガタガタを改善するには矯正が必要になる可能性が高いです。
ただし、今の年齢では顎の成長を利用できるため、顎を広げてスペースを作ることで、歯を抜かずに並べられると思います。
なるほど。治療はどのように進みますか?
まずは顎を広げて歯が並ぶスペースを確保し、その後に歯並びを整えていきます。
小児矯正では、成長を利用して土台を整え、その後の永久歯の生え変わりを良い位置に誘導することが重要です。
治療期間はどれくらいですか?
歯を積極的に動かす期間が約1〜2年、その後は生え変わりを見ながら経過観察を行います。最終的に必要であれば、永久歯が揃った段階で仕上げの矯正を検討します。
わかりました。次回の診断の予約をお願いします。
まとめ
H.Sさんのケースでは、
・「前歯の叢生(ガタガタ)」と「噛み合わせの深さ(過蓋咬合)」に対して、成長期を活かした顎の拡大と歯列のコントロールが有効であること
・奥歯の噛み合わせは良好であるため、そのバランスを保ちながら前歯部の改善を行うことが重要です
という相談結果になりました。
今回の相談では、見た目としての「前歯のガタガタ」だけでなく、「噛み合わせが深いことによる将来的な影響やリスク」についてもご説明しました。また、レントゲン検査により歯の本数や生え変わりの状況に問題がないことを確認しつつ、過剰歯の存在についても将来的な対応の可能性を含めてお伝えしました。
小児矯正では、単に歯を並べるだけでなく、顎の成長を利用してスペースを確保し、永久歯が正しい位置に生えてくるための土台を整えることが重要です。特にH.Sさんのように骨格のバランスが良く、成長の余地が十分にあるケースでは、抜歯を回避しながら自然な歯列へ導ける可能性が高いのが特徴です。
歯並びや噛み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。お子様の成長段階に合わせた、無理のない最適な治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
