2026.5.20| 矯正相談集
「歯がガタガタしてきた気がする…」とご相談いただいた6歳・女の子のケース
「下の歯が内側から生えてきた」「このまま歯並びがガタガタにならないか心配」…。
お子様の生え変わりが始まる時期になると、歯並びについて不安を感じる親御様は少なくありません。
今回は、生え変わりと歯の重なりを気にされて来院された6歳の女の子との初診相談時のやり取りをご紹介します。
単に歯を並べるだけではなく、成長や呼吸の状態まで含めて考えた当院の小児矯正についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 6歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



左下の前歯の乳歯の内側から大人の歯(永久歯)が生えてきています。
上下の前歯に軽度のガタガタがあります。
前歯の噛み合わせが深いです。
ご相談のきっかけ
患者様は、「下の前歯が内側から生えてきている」「歯が詰まっていて将来的にガタガタになりそう」と感じられ、ご相談に来院されました。
また、鼻炎やいびき、口呼吸の傾向も気になっていたとのことでした。
ご両親ともに過去に矯正治療の経験があり、「できるだけ早めに相談しておきたい」と考えられたそうです。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
下の歯が後ろから生えてきていて、このままガタガタにならないか気になっています。
そうですね。実際に見せていただくと、乳歯の歯並びでも少し歯が詰まっている状態です。
本来、子どもの歯並びは少し隙間があるくらいが理想なんです。
これから生えてくる永久歯は今より大きいので、このままだと歯が並ぶスペースが不足して、将来的にガタガタが強くなる可能性が高いです。
やっぱり矯正は必要になりそうですか?
はい。将来的には顎を広げる治療が必要になる可能性が高いです。
ただ、今すぐ本格的な矯正を始めるというよりは、生え変わりや成長のタイミングを見ながら進める方が効率的ですね。
特に、前歯が生え変わる時期に合わせて顎の成長をサポートしてあげると、治療期間を短くできることがあります。
なるほど…。今できることはありますか?
はい。実は、歯並びだけでなく「呼吸」もすごく関係しているんです。
お子さんは鼻炎やいびき、口呼吸の傾向もあるようなので、舌やお口周りの筋肉のバランスを整える装置を使う方法があります。
例えば「プレオルソ」という装置は、寝ている時を中心に使って、舌の位置や口呼吸の改善をサポートしていきます。
それだけで歯並びも良くなるんですか?
これだけで全ての歯並びが治るわけではありません。
ただ、悪い方向に進みにくくしたり、顎の成長を良い方向へ導いてあげたりする効果は期待できます。
特に小さいうちに口呼吸の癖を改善できると、将来的な歯並びや顎の成長にも良い影響があります。
下のグラグラしている歯はどうした方がいいですか?
今、永久歯が後ろから生えてきていますので、乳歯は早めに抜いてあげた方が自然に前へ並びやすくなります。
このまま残ってしまうと、永久歯がさらに内側に入ってしまう可能性がありますので、一度乳歯の抜歯を検討しても良いと思います。
よく分かりました。一度家族でも相談してみます。
まとめ
今回のケースでは、
・乳歯の段階ですでに歯並びのガタガタ傾向がみられ、将来的に永久歯が並ぶスペース不足による叢生(ガタガタ)が起こる可能性が高いこと
・単に歯を広げるだけではなく、口呼吸や舌の位置、いびきなどの「お口の機能面」にもアプローチすることが重要であること
という相談結果になりました。
今回の相談では、「下の歯が後ろから生えてきた」「歯が重なってきている」といった見た目のお悩みだけでなく、鼻炎や口呼吸、いびきといった生活習慣や呼吸機能についても確認を行いました。さらに、生え変わりのタイミングや顎の成長時期を踏まえながら、将来的な矯正開始のベストな時期についてもご説明しました。
小児矯正では、単に歯を並べるだけではなく、顎の成長を適切に促しながら、呼吸や舌の使い方などの機能面も整えていくことが非常に重要です。特に今回のように、早い段階で歯列の混雑傾向が確認できるケースでは、成長を利用したアプローチを行うことで、将来的な負担を軽減できる可能性があります。
また、プレオルソのような口腔機能を訓練する装置を活用することで、口呼吸や舌位の改善を目指しながら、歯並びが悪化しにくい環境づくりを行うことも可能です。
お子様の歯並びや口呼吸、いびきなどが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。成長段階に合わせた無理のない治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
