2026.6.30 出っ歯の矯正相談集

「将来、歯並びがガタガタになりそうで心配…」とご相談いただいたR.Tさん(6歳・男の子)のケース

「乳歯の段階で、将来ガタガタになりそうと言われた」
「永久歯がきれいに生えてくるか心配」
「小さいうちから矯正を始めた方がいいのか分からない」…。

お子様の歯並び相談では、見た目のガタガタだけでなく、前歯の噛み合わせやあごの成長、お口周りの癖まで含めて確認することが大切です。

今回は、かかりつけ歯科で将来的な歯並びのガタガタを指摘され、矯正相談に来院された6歳の男の子、R・Tさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。

単に歯を並べるだけではなく、受け口傾向やお口周りの環境を整えながら、将来的な成長まで見守る小児矯正についてもお伝えします。

患者様情報

年齢6歳
性別男性

初診時の画像診断

乳歯の歯並びでは十分にスペースがあります。

上下の前歯が先端同士で当たっています。(切端咬合)

ご相談のきっかけ

R・Tさんは、

「将来、歯並びがガタガタになるかもしれないと言われた」

「永久歯がきれいに生えてくるか心配」

「プレオルソを勧められたが、本当に必要なのか知りたい」

とのことでご来院されました。

保護者の方としては、乳歯の段階で大きく歯並びが悪いようには見えないものの、レントゲンで永久歯の位置を見た際に混雑しているように説明を受け、一度矯正専門の医院で相談したいと考えられたそうです。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?

かかりつけの歯医者さんで、将来歯並びがガタガタになるかもしれないと言われました。
レントゲンも撮ってもらって、矯正の相談をした方がいいのかなと思って来ました。

そうですね。
お口のスキャンを確認すると、乳歯の段階では歯と歯の間に隙間があるので、現時点ですごく強いガタガタになる可能性が高いとは言い切れません。
ただ、歯並びのガタガタとは別に、少し気になる点があります。
前歯同士が先端で当たっている「切端咬合」の状態で、少し受け口傾向が見られます。

受け口ですか?

はい。完全に反対に噛んでいるわけではありませんが、本来は上の前歯が下の前歯を少し覆っているのが理想です。
今は上下の前歯が先端同士で当たっているため、今後の成長によっては受け口傾向が強くなる可能性があります。

家族にも受け口っぽい人がいます。

ご家族に受け口傾向がある場合、お子様にも骨格的な傾向が遺伝することがあります。
今の段階で大切なのは、上あごの成長が妨げられないように、できるだけ良い噛み合わせの環境を作っておくことです。

プレオルソを勧められたのですが、どういう装置ですか?

プレオルソは、取り外し式のマウスピース型の装置です。
寝ている時と、日中1時間ほど装着して使います。
主な目的は、歯を大きく動かすことではなく、舌の位置や口呼吸、お口周りの筋肉の使い方を整えることです。
受け口傾向のお子様では、前歯の傾きを改善して、噛み合わせを整えやすくする効果も期待できます。

これだけで治ることもありますか?

プレオルソだけで状態が安定する可能性もあります。
ただし、骨格的な受け口傾向が強い場合や、前歯が生え変わった後に問題が残る場合は、将来的に本格的な小児矯正へ進む可能性もあります。

顎を広げる装置とは違うんですか?

はい、少し役割が違います。
プレオルソにも歯列を整える補助的な働きはありますが、顎をしっかり広げる専用の装置ではありません。
もし今後、永久歯が生えてきた時にスペース不足やガタガタが強く出てきた場合は、別の拡大装置を使うこともあります。
ただ、今の段階ではまず受け口傾向に対して、お口周りの環境を整えることが優先だと思います。

日中1時間は、いつつけたらいいですか?

時間帯は決まっていません。
お風呂の時間、テレビを見る時間、ゲームや勉強の時間など、続けやすいタイミングで大丈夫です。
日中の装着は、口を閉じる筋肉のトレーニングの意味もあります。
寝ている時は意識して口を閉じることができないので、起きている時間に練習してもらうことが大切です。

分かりました。検査の予約をとって帰ります。

まとめ

R・Tさんのケースでは、

・乳歯の段階では歯と歯の間に隙間があり、現時点で強いガタガタになる可能性は高くないと考えられること

・一方で、前歯同士が先端で当たる「切端咬合」に近い状態で、受け口傾向に注意が必要であること

・プレオルソを使用することで、舌の位置や口呼吸、お口周りの筋肉の使い方を整えながら、前歯の噛み合わせを良い方向へ導ける可能性があること

という相談結果になりました。

今回の相談では、「将来、歯並びがガタガタになりそうで心配」というお悩みだけでなく、前歯の噛み合わせや受け口傾向、ご家族の骨格的な傾向についても詳しく確認しました。また、プレオルソは顎を大きく広げる装置ではなく、舌の位置・口呼吸・口を閉じる筋肉など、お口周りの環境を整えるための装置であることもご説明しました。

小児矯正では、単に歯をきれいに並べるだけでなく、あごの成長やお口の使い方まで含めて見ていくことが重要です。特にR・Tさんのように、完全な反対咬合ではなくても受け口傾向が見られるケースでは、上あごの成長が妨げられないように、早い段階で噛み合わせの環境を整えておくことが大切です。

もちろん、プレオルソだけですべての治療が完了するとは限りません。今後の成長や前歯の生え変わりによっては、拡大装置や上あごの成長を促す小児矯正へ移行する可能性もあります。そのため、今できることに取り組みながら、成長に合わせて必要な治療を判断していくことが大切です。

お子様の歯並びや受け口傾向、プレオルソについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。成長や生え変わりのタイミングを見ながら、お子様にとって無理のない最適な治療方法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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