2025.9.16 矯正相談集

「前歯の傾きと口元の突出が気になる」とご相談いただいたN.Rさん(24歳・女性)のケース

「笑った時に前歯が目立つ」「口が閉じにくい気がする」など、見た目だけでなく機能面でも違和感を抱えてご相談いただくケースも少なくありません。

今回は、「前歯の傾き」や「口元の突出感」を気にして来院された20代女性のN.Rさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。見た目の美しさだけでなく、長期的な安定性とライフスタイルに合わせた治療提案の一例です。

患者様情報

年齢24歳
性別女性

初診時の画像診断

上下の前歯にガタガタ(叢生)がみられました。

上下の前歯が前方に位置しているため、口元が少し出た印象が見受けられました。口元も閉じにくいとのことでした。

ご相談のきっかけ

N.Rさんは、過去(中学生の頃)に一度、矯正治療を検討されたことがあったものの、「歯を抜くこと」や「費用面」から、そのまま治療に踏み切れなかったそうです。社会人となり「今なら自分で納得して治療に取り組めそう」と思い、あらためてご相談に来てくださいました。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今日はどのようなことが気になってご相談いただいたんでしょうか?

笑った時に前歯が前に出ている感じが気になっていて、写真を撮るときも口元を意識してしまうんです。口が開いてるって指摘されたこともあって…

なるほど。CT画像を見ても、上顎前歯の傾き(前方への突出)がやや強く、唇が前歯に乗っかりやすくなっているのが分かりますね。また、上下の歯並びを比較すると、上に対して下の歯が少し内側にあり、ガタガタも強い印象です。

やっぱりそうなんですね…。歯を抜く治療って昔聞いて嫌だったんですが、今だったらちゃんと考えてみてもいいかなと。

そうですね。抜歯を伴う治療には不安がある方も多いですが、今回は「前歯の傾きをしっかりと内側に引いて口元をすっきりさせたい」というご希望があるので、抜歯矯正が適しているかもしれません。

歯を抜かない選択肢もありますか?

もちろんあります。抜かずに並べることも可能ですが、前歯の角度や口元の印象を大きく変えることは難しいです。歯を少しスリムに削ったり、奥歯をできる範囲で後方に移動することで多少のスペースは作れますが、前歯の引き込む量には限界があります。

もし抜歯したら、どの歯を抜くことになりますか?

上下左右の4番目の歯(第一小臼歯)を抜歯することが多いです。4番目の歯は抜歯しても、機能的に見た目的にも他の歯への影響が少ないため、最も一般的な選択です。

マウスピース矯正も気になるんですが、対応していますか?

はい。ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に対応しています。ワイヤーは月1回の通院が必要ですが、マウスピース矯正であれば3ヶ月に1回の通院でも可能な場合があり、ライフスタイルに合わせやすいです。通院が難しくなるご予定(転勤など)がある方にはマウスピース矯正がおすすめです。

歯を抜く場合、どのくらいの治療期間がかかりますか?

抜歯矯正の場合、歯を動かすのに約2年~2年半かかります。その後、歯並びを安定させるために保定装置(リテーナー)を1~2年装着していただく必要があります。

リテーナーを外したら、また戻ってしまうんですか?

多少の後戻りはありますが、しっかりと噛み合わせが完成していれば大きな変化は起こりにくいです。大切なのは治療後しばらくの間、正しくリテーナーを使っていただくことです。

よくわかりました。検査の予約をとって帰ります。

まとめ

N.Rさんのケースでは、
・「上顎前歯の突出(出っ歯傾向)」と「口元が閉じにくい・だらしなく見える」という見た目のお悩みに対し、上下のバランスを整えながら、前歯の軸をコントロールして引き込むには、抜歯を伴う矯正治療が有効であることをご説明しました。

今回の診察では、単に歯並びをきれいに整えるだけでなく、「前歯の角度」「口元の印象」といった審美的な要素に加えて、抜歯・非抜歯の選択による仕上がりの違いや、通院頻度やライフスタイルに合った装置の選択(ワイヤー or マウスピース)など、総合的な視点からお話しさせていただきました。

成人矯正では、患者様それぞれの「なりたいイメージ」や「生活背景」に合わせた治療設計がとても大切です。N.Rさんのように、かつて矯正を迷われた方でも、改めてご自身の意志で取り組むタイミングを迎えた時には、十分な変化が期待できます。

口元の印象や前歯の突出感が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたにとってベストな治療法を、丁寧にご提案させていただきます。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

お電話でのご相談はこちら

tel.06-6848-5555
9:00 - 12:30
/
/
/
14:00 - 18:00
/
/
/

休診日火曜・日曜・祝日

  • 最寄駅:大阪モノレール 柴原阪大前駅
  • 阪急バス「桜井谷停留所」より徒歩10秒