2025.11.17 矯正相談集

「前歯のガタガタが気になる」とご相談いただいたS.Aさん(9歳・男の子)のケース

「上の前歯のガタガタが気になる」「口がポカンと開いていることが多い」…お子様の歯並びや口元について不安を感じている親御様は少なくありません。

今回は、「前歯のガタつき」と「出っ歯気味な見た目」を心配されて来院された9歳の男の子、S.Aさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
ただ歯をきれいに並べるだけではない、将来の口元やかみ合わせまで見据えた当院の相談内容についてもお伝えします。

患者様情報

年齢9歳
性別男性

初診時の画像診断

出っ歯の歯並びのため、上下の前歯の前後的な距離が大きいです。

歯並びの横幅が狭いため、歯並びにガタガタがあります。

ご相談のきっかけ

S.Aさんは、
「上の前歯がガタガタしてきたこと」と「前から見たときに歯が前に出て見えること」を心配され、お父さま・お母さまと一緒にご来院されました。

1年ほど前に、別の歯科医院で一度矯正相談をされたことがあったものの、
「データだけ取り、詳しい説明は“矯正を始めると決めてから”と言われ、具体的なイメージが持てなかった」とのことで、
改めてしっかり話を聞きたいと当院へご相談に来られました。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今、一番気になっているところを教えてもらえますか?

上の前歯のガタガタと、ちょっと出っ歯気味に見えるところですね。口も少し開きがちで…。

お口のスキャンとレントゲンを拝見すると、奥歯のかみ合わせは良い状態です。
一方で、上の前歯のサイズが大きく、前に出て並んでしまっていることで、前後差(出っ歯感)が出ている状況ですね。

このままでも並べられるんでしょうか?それとも歯を抜く必要がありますか?

「歯並びだけ」を見ると、今の顎の中でも抜歯せずに並べること自体は可能です。
ただ、将来のことまで考えると、今のまま“抜かずに整える”ゴールもしくは、将来口元をもっと引っ込めたい場合には“抜歯を含めてしっかり口元を後ろへ下げる”ゴールの二つの道があり得ます。
現時点では、まだすべての永久歯が生えそろっていないため、「今は顎を広げてスペースを作り、前歯をきれいに並べる小児矯正」そして、「中学生以降に、口元の印象まで含めて最終判断をする二期治療」という二段階の考え方が合っています。

今すぐ抜歯する必要はない、ということですね?

はい。今決める必要はありません。まずは、顎の幅を適切に広げて、前歯が並ぶスペースを作り、ガタガタを整えながら今より少し前歯を引っ込めてあげることで、「小児矯正としての第一段階」をしっかり行います。
そのうえで、中学生くらいで永久歯がすべて揃った時点で、「この仕上がりで十分か」「もっと口元を引きたいか」を、ご本人の希望も含めて改めて相談していきましょう。

なるほど。装置はワイヤーとマウスピースのどちらが良いでしょうか?

S.Aさんの場合、どちらでも治療可能です。
本人が「マウスピースで頑張りたい」と思っているなら、マウスピースも十分選択肢になります。

うーん…どちらでもいいけど、マウスピースもちょっと気になる…。

次回の検査の後の診断で、もう少し詳しくシミュレーションをお見せしますので、
そのときにご家族みんなで相談してから決めていただいて大丈夫ですよ。

わかりました。検査の予約をとって帰ります。

まとめ

S.Aさんのケースでは、
「上顎前歯部の叢生(ガタガタ)」と「歯のサイズに起因する前突傾向」に対して、顎の成長を利用しながら歯列弓を拡大し、前歯の排列と前後的バランスを整える小児矯正が有効であること
現時点では抜歯を前提とせず、小児期の第一段階では顎の幅を広げてスペースを確保し、将来的な口元の仕上がりを見極めたうえで二期治療(抜歯/非抜歯)の方針を検討していくことが重要であること
という相談結果になりました。

今回の診察では、見た目としての「前歯のガタガタ」や「少し出っ歯気味に見える」といったお悩みだけでなく、
上の歯のサイズが相対的に大きいことが前突感の主な要因となっていること、
さらに、今すぐの抜歯は必要なくても、中学生以降に「どこまで口元を引き込みたいか」によって治療の選択肢が変わることまで含めて、
将来的な安定性と見た目のバランスを見据えた多角的なご説明を行いました。

小児矯正では、単にガタガタを並べるだけでなく、
成長期の顎の拡大によって歯が並ぶ土台をつくり、そのうえで将来の二期治療の必要性を冷静に判断していくことが重要です。
特にS.Aさんのように、骨格の土台は良好で、歯のサイズとスペースのアンバランスが主な原因となっているケースでは、
ワイヤー矯正やマウスピース矯正を適切なタイミングで使用することで、無理なく自然な口元と安定したかみ合わせを目指すことが可能です。

お子さまの前歯のガタつきや、将来的な口元の印象が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご家族やご本人のご希望を伺いながら、今できることと将来取りうる選択肢を整理し、ご負担の少ない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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