2025.10.18| 矯正相談集
「前歯のガタガタが気になる」とご相談いただいた Mさん(7歳・女の子)のケース
「最近、前歯がガタガタになってきている気がする」「このまま放っておいて大丈夫?」──
お子さまの歯並びについて心配される親御さまは多くいらっしゃいます。
今回は、「前歯が重なってきている」とのことで来院された7歳の女の子、Mさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
単に見た目を整えるだけでなく、将来のかみ合わせや顎の成長を見据えた治療方針についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 7歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
歯並びのアーチは横幅は少し狭い傾向にありました。
ご相談のきっかけ
Mさんは、かかりつけの歯科医院で「歯がガタガタしてきた」と指摘を受け、
「今のうちから矯正を考えた方がいい」と勧められたとのことで来院されました。
お母さま自身も過去に顎の手術を伴う矯正治療を受けた経験があり、
「自分のように顎が小さい傾向が遺伝していないか心配」とのことでした。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えてください。
前歯が重なってきていて、ガタガタなんです。
この子も私と同じように顎が小さいのではと心配で…。
Mさんの場合、確かに前歯のスペースが少し足りず、歯が重なり始めています。
ただ、顎の前後のバランスは良好で、手術が必要なような顎のサイズのズレはありません。
横幅が少し狭いタイプなので、“顎を広げる治療”を取り入れてあげるのがよいでしょう。
やっぱり顎が小さいということですか?
はい、少し横幅が狭い傾向があります。
今後、永久歯が生えてくるとさらにスペース不足になる可能性があるため、
このタイミングで“拡大床”という装置で少しずつ顎を広げてあげるのが効果的です。
矯正はいつ頃から始められるんでしょうか?
今からがちょうど適齢期です。7〜8歳は顎の骨が柔らかく、
自然な力で成長を誘導できる時期ですから、今がベストタイミングです。
治療期間はどれくらいかかりますか?
顎を広げてスペースを作るのに約半年〜1年、
その後、歯並びの横幅が安定した後、マウスピースやワイヤーで歯並びを整えます。
合計で2〜3年ほどの計画になります。
マウスピース矯正もできるんですか?
はい、成長期のお子さまでも可能です。
見た目も自然なのが特徴です。取り外しができるので、使用時間はきちんと守ることが大切です。
わかりました。次回の検査の予約取ってみようと思います。
まとめ
Mさんのケースでは、
・「歯列のガタつき」と「顎の横幅の狭さ」に対して、拡大床による顎の成長誘導が有効であること
・成長期に合わせて顎を広げることで、将来的な抜歯や外科的治療を避けられる可能性が高いこと
をご説明しました。
今回の診察では、見た目としての「前歯の重なり」や「歯並びの乱れ」といったお悩みだけでなく、
顎の骨格的なバランスや、永久歯の生え変わり時期、今後の治療計画(拡大床→マウスピース矯正)についても詳しくご説明しました。
小児矯正では、単に歯を並べることだけでなく、「成長を味方につけて、正しい顎の発育を導く」ことが何より重要です。
特にMさんのように、顎の幅がやや狭く、永久歯のスペースが不足し始めている時期では、
早期に拡大治療を行うことで、自然な歯列誘導が期待できます。
お母さまにも「手術をしなくて済むと分かって安心しました」とおっしゃっていただきました。
歯並びやお子さまの顎の成長が気になる方は、ぜひ早めにご相談ください。
お子さま一人ひとりの成長ペースに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
