2026.2.13| 矯正相談集
「ガタガタと口元が気になって…」とご相談いただいたS.Oさん(12歳・男の子)のケース
「歯がガタガタしている」「真ん中がずれて見える」「口元も少し気になるかも」…
小学校高学年〜中学生に入るタイミングは、永久歯が生えそろい、“小児矯正ではなく成人矯正に近い段階”になってくるため、治療方針や費用のイメージも大きく変わる時期です。
今回は、ご家族で来院された 12歳の男の子 S.Oさんの初診相談時のやり取りをご紹介します。
歯並びだけでなく、口元(唇の突出感)まで含めて「どこまで改善を目指すか」を一緒に考えた当院の説明の流れをお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 12歳 |
| 性別 | 男性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
歯並びの上下の真ん中のラインがずれています。
ご相談のきっかけ
S.Oさんは、幼い頃からかかりつけ歯科に定期検診で通われていました。
永久歯はすでに全て生えそろい、12歳臼歯(いちばん奥の奥歯)まで萌出している状態でした。
矯正については、かかりつけで簡単な説明のみであったため、
ご家族の方が調べて「一度矯正専門の医院で相談してみよう」と来院されたとのことです。
患者様との実際のやり取り
初めまして。気になっているところを教えていただけますか?
歯がガタガタしているのが気になります。真ん中も少しずれているように見えて…。できればきれいにしたいです。
そうですね。実際見てみると歯のガタガタと歯が傾いているところもあり、真ん中もずれています。
ただ、矯正治療を行うと、十分きれいにできる範囲だと思います。
S.Oさんの場合、永久歯はすべて生えそろっていますね。12歳臼歯まで生えています。この段階ですと、小児矯正ではなく成人矯正のステージになります。
そうなんですね。
永久歯がすべて生え揃っている場合は、大人と同じ治療計画になります。
もう一つ気になるのが、お口元です。リラックスすると少し口が開きやすく、閉じると顎のあたりにシワが寄りますね。これは前歯がやや前に出ている影響があります。
やっぱりそうですか。そこも少し気になっていて…。
歯並びだけ整えることは十分可能です。ただ、口元までしっかり引きたい場合は、前歯を後ろに下げる必要があります。そのためのスペースをどう作るかがポイントになります。
どのような治療になるんですか?
選択肢は大きく2つあります。
ひとつは歯を抜かずに並べる方法、もうひとつは 歯を抜いてスペースを作り、前歯を大きく後退させる方法 です。
抜くのはちょっと怖いです。
そうですよね。抜歯は抵抗がある方が多いです。
抜かずに並べることも可能です。ただし、口元の変化はわずかになります。
大きく口元を改善したい場合は、抜歯の方が変化量は大きくなります。
いつ決めないといけませんか?
本日、検査まで行ったので、次回の診断のお話の時に抜歯あり・なし両方のシミュレーションをお見せします。それを見てから決めていただければ大丈夫です。
どのような装置をつけるんですか?それから期間はどれくらいかかりますか?
方法はワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤーはつけっぱなしなので確実に進みますが、歯磨きは少し難しくなります。
マウスピースは目立ちにくく歯磨きもしやすいですが、1日20〜22時間以上の装着が必要です。
期間の目安は約2年です。今始めれば中学生のうちに終了する可能性が高いため、良いタイミングだと思います。
分かりました。診断の予約をとって帰ります。ありがとうございました。
まとめ
S.O.さんのケースでは、
・「前歯のガタガタ(叢生)」と「上下の正中のズレ」に対して、永久歯がすべて生えそろった段階での成人矯正(本格矯正)による改善が有効であること
・さらに「口元の突出感(軽度の前突傾向)」をどこまで改善したいかによって、抜歯を伴う矯正か、非抜歯で整えるかを慎重に選択する必要があること
という相談結果になりました。
今回の診察では、単に歯のガタガタを整えるだけでなく、
「口元の印象」「横顔のバランス」「噛み合わせのズレ」まで含めて総合的に評価しました。
特にS.O.さんの場合は、
・永久歯がすべて萌出しており、治療開始のタイミングとして非常に良い時期であること
・奥歯の咬合関係(臼歯関係)に左右差があり、これが前歯のズレにも影響している可能性があること
・口元を大きく改善する場合は抜歯が選択肢になるが、非抜歯でも整えること自体は可能であること
を丁寧にご説明しました。
また、抜歯を選択する場合でも、歯を下げすぎてしまわないように、顔貌とのバランスを見極めながら治療計画を立てることが重要であることもお伝えしています。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
