2025.12.22| 矯正相談集
「前歯のすき間と出っ歯が気になって…」とご相談いただいたI.Mさん(8歳・男の子)のケース
「前歯の真ん中が空いている」「前歯が少し出ている気がする」…
お子様の歯並びで“今すぐ治すべき?”“様子見でいい?”と迷われる親御様は少なくありません。
今回は、「前歯のすき間(正中のすき間)」と「出っ歯傾向」を気にされて来院された8歳の男の子、I.Mさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。見た目だけでなく、奥歯のかみ合わせや生え変わりの時期も含めて、長期的に考えた当院の相談内容をお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 8歳 |
| 性別 | 男性 |
初診時の画像診断



上の前歯の真ん中に隙間があります。(正中離開)
上下の前歯に前後的に距離があり、出っ歯さん傾向です。
ご相談のきっかけ
I.Mさんは、
- 前歯の真ん中のすき間
- 前歯が少し前に出ている感じ
が気になり、お母様と矯正相談に来院されました。あわせて、過去の治療部位(詰め物が外れて穴が開いている所)があることも分かり、「むし歯にならないように早めに詰め直した方が良い」点もご説明しました。
患者様との実際のやり取り
気になっているのは、前歯のすき間と出っ歯のところですね。
はい。前歯が離れているのと、出っ歯っぽいのが気になります。
実際にお口の中を見てみると、すき間は少し大きめで、自然に勝手に閉じる可能性は高くありません。
なので、閉じるなら矯正で動かしてあげる必要があります。
急いだ方がいいですか?
緊急性は高くないですが、見た目はこのまま続くので、気になる場合は早めに閉じるのは良い選択です。
かみ合わせに関しては、奥歯のかみ合わせはほんのわずかに出っ歯傾向があります。ただ、顎の成長や生え変わりで調整できる範囲であるため、矯正治療をすることで綺麗な噛み合わせになります。
前歯が出て見えるのも、すき間の影響ですか?
そうですね。すき間があることで前歯がより前に出てきている面もあります。
すき間を閉じて前歯をきちんと引いてあげることで前歯の出っ歯も改善します。
あと別件ですが、以前のむし歯治療のところで詰め物が取れて穴が開いている部分があります。このままだとまたむし歯になりやすいので、早めに詰め直すのがおすすめです。
虫歯もあるんですね…早めに治療お願いします。
矯正をするなら、マウスピースですか?ワイヤーですか?
どちらでも可能です。
最近はお子さんでもマウスピースで進める方が増えています。
マウスピース矯正であれば、1週間ごとに交換して少しずつ動かすので、すき間を閉じやすいです。
ワイヤー矯正であれば、装置を調整しながら動かすため、確実に進むという特徴があります。I.Mさんの歯並びはどちらでも治せる良い状態です。
治療期間はどのくらいかかりますか?
すき間を閉じて整えるのは、だいたい1年〜1年半が目安です。
矯正治療は大きく分類すると、子どもの時期である一期治療と永久歯が全部そろってから行う二期治療
の2段階治療となります。
一期治療で前歯の見た目は揃います。奥歯が生え変わった後、全ての永久歯を整える治療は二期治療で行います。ただ、一期治療で満足して終了される方もいらっしゃいます。
そうですか。まず虫歯の治療からお願いしたいです。
まとめ
I.M.さんのケースでは、
・「前歯のすき間(正中離開)」と「軽度の出っ歯傾向」に対して、矯正治療で前歯を寄せてすき間を閉じ、口元のバランスを整えることが有効であること
・奥歯のかみ合わせにもわずかな出っ歯傾向が見られるため、前歯だけを動かして見た目を整えるのではなく、成長や生え変わりを見据えながら全体の噛み合わせとのバランスを確認して治療計画を立てることが重要であること
という相談結果になりました。
今回のご相談では、見た目としての「前歯のすき間」や「出っ歯っぽい印象」といったお悩みだけでなく、このすき間が自然には埋まりにくい可能性が高いこと、奥歯の噛み合わせがわずかにずれている理由と今後の成長による変化、さらに永久歯の生え変わりの時期(10歳前後から奥の歯が生え変わる)も踏まえ、「どのタイミングでどこまで治すのがよいか」について、将来的な安定性を見据えた多角的なご説明を行いました。
また、矯正とは別件として、過去の治療部位で詰め物が外れている箇所が見つかったため、むし歯の再発予防として早めの補修が望ましいこともお伝えしました。
小児矯正では、単に前歯の見た目を整えるだけでなく、顎の成長・永久歯の生え変わり・噛み合わせの完成まで含めて、長期的にバランスを整えることが大切です。
特にI.M.さんのように、マウスピース矯正・ワイヤー矯正のいずれでも改善が見込めるケースでは、生活スタイルや管理のしやすさも考慮しながら装置を選択することで、無理なく良好な結果を目指すことが可能です。
前歯のすき間や出っ歯傾向が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
お子さまの成長段階とご家庭の希望に合わせて、無理のない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
