2026.3.13 矯正相談集

「歯のすき間や下の前歯が気になる…」とご相談いただいたS.Kさん(5歳・女の子)のケース

「前歯のすき間が気になる」「下の歯が内側から生えてきそうで心配」…お子様の歯の生え変わりに不安を感じる親御様は少なくありません。
今回は、歯のすき間や下の前歯の生え変わりについてご相談いただいた5歳の女の子、S.Kさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。見た目だけでなく、将来の歯並びやお口の環境まで見据えた当院の考え方についてもお伝えします。

患者様情報

年齢5歳
性別女性

初診時の画像診断

上下の歯並びに隙間があります。上の前歯の間の筋もあります。

下の前歯の永久歯が乳歯の内側から生えてきています。

ご相談のきっかけ

S.Kさんは、上の前歯のすき間や、下の前歯が内側から生えてきそうなことが気になり、ご相談に来られました。
「このすき間は大丈夫なのか」「下の前歯がずれて生えてきても問題ないのか」といった点を心配されていたとのことでした。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今日は、上の前歯のすき間や、下の前歯が生えてきそうなところが気になっているということでしょうか?

はい。上の前歯のすき間が気になっていて、下の歯も内側から生えてきそうで、このままで大丈夫なのかなと思っていました。

まず、前歯のすき間についてですが、これは今の年齢ではむしろ良いことなんですよ。子どもの歯よりも永久歯の方が大きいので、乳歯の段階ではある程度すき間がある方が自然なんです。
こういったすき間は永久歯がきれいに生えるための準備とも言えます。

そうなんですね。すき間があると逆に心配だったんですが、大丈夫なんですね。

はい。今の段階では大きな問題ではありません。
それよりも、今後の生え変わりの中で、永久歯がどう生えてくるかを見ていくことの方が大切ですね。
レントゲンでも確認しましたが、大人の歯の本数はしっかり揃っていそうですし、歯が足りないとなどの心配も今のところなさそうです。

下の前歯が少し内側から出てきそうなのも、よくあることなんですか?

はい、よくあります。下の前歯は、少し内側から生えてくることが多いんです。
生え始めに「あれ、ずれているかな」と思っても、実際には舌の力でだんだん前へ誘導されて、自然と良い位置に寄ってくることが多いです。
なので、今の時点で慌ててワイヤー矯正のような治療を考えなくてもよいケースが多いです。

それなら少し安心です。でも、もし乳歯がうまく抜けなかったらどうなりますか?

そこは今後起こりやすいポイントですね。
永久歯が少しずれた位置から生えると、抜けるべき乳歯をうまく押し出せず、ぐらぐらしているのに自然には抜けないことがあります。
その場合は、必要に応じて歯科医院で抜くお手伝いをしてあげることになります。ただ、今の段階では急いで処置しないといけないほどではなく、もう少し様子を見ても大丈夫そうです。

今は矯正までは必要ないということですか?

そうですね。いわゆるワイヤー矯正などの本格的な矯正治療を急ぐ段階ではありません。
むしろ、今のS.Kさんは歯並びの土台としてはかなり良い方なんです。
ただし、お口の環境をさらに整えておくことはとても有効です。そこで一つ選択肢になるのが「プレオルソ」のような装置です。

プレオルソはどんなことをする装置なんですか?

矯正の前段階として使う装置で、歯を無理やり動かすというよりは、舌の位置や口の周りの筋肉の使い方を整える装置です。
本来、舌は上あごの正しい位置にあり、口をしっかり閉じて鼻呼吸できるのが理想です。
この装置を使うことで、お口周りの筋肉のバランスを良い方向に整えたり、今後の歯並びがより安定しやすい環境を作ったりすることができます。

なるほど。今のうちからお口の環境を整えておくんですね。

はい。今のS.Kさんは、今すぐ大きな矯正が必要な状態ではありません。
だからこそ、こういった装置でお口の環境を整えておくことが、将来的に歯並びを悪化させにくくしたり、必要な治療を減らしたりすることにつながる可能性があります。

今後、必ず本格的な矯正が必要になるわけではないんですか?

今の状態を見る限り、必ず必要になるとは思いません。
今後の生え変わりが比較的スムーズに進めば、大きな矯正をせずに済む可能性も十分あります。
だからこそ、今は必要以上の治療を急がず、自然な成長を活かしながら、必要なところだけサポートしていく考え方が大切です。

わかりました。一度家族で相談してみます。

まとめ

S.K.さんのケースでは、
・上の前歯や下の歯のすき間は、永久歯が生えてくるための正常なスペースであり、現時点では大きな異常ではないこと
・下の前歯がやや内側から生えてきても、舌の力や成長によって自然に整ってくることが多く、まずは生え変わりを見守ることが大切であること
という相談結果になりました。

今回の診察では、見た目としての「前歯のすき間」や「内側から生えてきそうな下の前歯」といったお悩みだけでなく、レントゲンで永久歯の本数や位置を確認し、今後の生え変わりの見通しまで含めてご説明を行いました。あわせて、乳歯が自然に抜けにくい場合には必要に応じて処置を行う可能性があることや、プレオルソのような装置を用いて、お口まわりの筋肉や舌の位置といった環境を整えていく選択肢についてもお伝えしました。

小児矯正では、今見えている歯並びだけで判断するのではなく、これから生えてくる永久歯や、お口の機能・成長の流れまで含めて考えることが重要です。特にS.K.さんのように、現時点で歯並びの土台が比較的良好なケースでは、無理に早期から本格矯正を始めるのではなく、自然な成長を活かしながら必要なサポートを行うことで、将来的な負担を抑えられる可能性があります。

お子様の前歯のすき間や生え変わりでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。成長のタイミングに合わせて、無理のない最適な方法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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