2026.6.1| 矯正相談集
「歯が小さいと言われたけれど大丈夫?」とご相談いただいたS.Wさん(6歳・女の子)のケース
「下の歯がガタガタしている気がする」「歯が小さいと言われた」「矯正は今すぐ始めた方がいいの?」…。
お子様の歯が生え変わり始める時期になると、歯並びや矯正のタイミングについて不安を感じる親御様は少なくありません。
今回は、歯並びのガタつきと矯正を始める時期について相談するために来院された6歳の女の子、S.Wさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
単に歯を並べるだけではなく、お口の機能や成長のタイミングまで考慮した当院の小児矯正についてもお伝えします。
患者様情報
患者様情報
| 年齢 | 6歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
正中離開があります。
ご相談のきっかけ
S.Wさんは、他院で「顎が小さいかもしれない」「矯正を考えた方がよい」と言われたことをきっかけに来院されました。
下の前歯に少しガタつきが見られることや、将来的に永久歯がきれいに並ぶのか心配だったとのことです。
また、口呼吸やアレルギー性鼻炎の傾向もあり、歯並びとの関係についても気になっていたそうです。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
他の歯医者さんで顎が小さいと言われて、将来的に歯並びが悪くならないか心配です。
実際に拝見すると、下の前歯に少しガタつきはありますね。
ただ、骨格的には受け口や出っ歯といった大きな問題はなく、永久歯の本数や位置にも特に異常はありませんでした。
現時点では、ガタつき以外に大きな問題は少ない状態だと思います。
矯正は今すぐ始めた方がいいのでしょうか?
今始めても問題ありませんが、必ずしも急ぐ必要はありません。
永久歯がもう少し生え変わってからの方が、どれくらい顎を広げる必要があるのか、より正確に判断できるんです。
そのため、今の状態であれば小学校2〜3年生頃まで様子を見ても十分間に合うと思います。
今のうちにできることはありますか?
はい。実は歯並びだけでなく、口呼吸や舌の位置も大切なんです。
S.Wさんは口呼吸の傾向があるようなので、鼻呼吸や正しい舌の位置を身につけるためのトレーニングをしてあげるのは良いと思います。
例えば「プレオルソ」という装置を使って、お口周りの環境を整える方法があります。
それで歯並びも治るんですか?
これだけで歯並びがすべて整うわけではありません。
ただ、口呼吸や舌の癖を改善することで、将来的な矯正治療をスムーズにしたり、治療後の後戻りを減らしたりする効果は期待できます。
では、本格的な矯正はもう少し後でも大丈夫なんですね?
はい。今の状態であれば急ぐ必要はありません。
成長のタイミングを見ながら、適切な時期に顎を広げる治療や歯並びの調整を行えば十分対応できると思います。
よく分かりました。矯正治療を開始する時期を家族とも相談してみます。
まとめ
S.Wさんのケースでは、
・下の前歯に軽度の叢生(ガタガタ)が見られ、将来的に顎を広げる治療が有効となる可能性があること
・永久歯の生え変わりや顎の成長を見極めながら、適切なタイミングで矯正治療を開始することが重要であること
という相談結果になりました。
今回の相談では、見た目としての「歯並びのガタつき」だけでなく、永久歯が並ぶためのスペース不足の可能性や骨格的なバランス、さらに口呼吸や舌の位置といったお口の機能面まで含めて、多角的なご説明を行いました。
小児矯正では、単に歯をきれいに並べるだけではなく、顎の成長をコントロールしながら将来的なかみ合わせの土台を整えることが重要です。また、口呼吸や舌の癖などを早い段階で改善することで、矯正治療をよりスムーズに進められる可能性があります。
特にS.Wさんのように、骨格的な問題が少なく、歯並びのスペース不足が主な課題となるケースでは、成長のタイミングを活かした治療によって、負担を抑えながら理想的な歯並びを目指すことが可能です。
お子様の歯並びや生え変わり、口呼吸などで気になることがある方は、ぜひ一度ご相談ください。お子様の成長に合わせた無理のない治療計画を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
