2026.4.13| 矯正相談集
「歯のガタガタが強く、このままで大丈夫か不安…」とご相談いただいたS.Tさん(10歳・女の子)のケース
「歯が重なって生えてきている」「将来的に抜歯が必要になるのか気になる」…お子様の歯並びに関する不安を感じている親御様は少なくありません。
今回は、「歯のガタガタ(叢生)」を主訴に来院された10歳の女の子との初診相談時のやり取りをご紹介します。見た目だけでなく、将来的な治療の選択肢まで見据えた当院の相談内容についてお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 10歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがみられます。
右上の前から2番目の歯が小さいです。(矮小歯)
右上の前から4番目の歯が顎の骨の中で後ろに傾いています。
ご相談のきっかけ
保護者様は「歯がガタガタで重なって生えてきていること」を心配され来院されました。特に、永久歯のスペース不足や将来的な抜歯の必要性について不安を感じておられました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
歯がガタガタで重なって生えてきていることが心配です。
そうですね。現状で今一番のポイントは、このガタガタの大きさですね。今のスペースでは永久歯が綺麗に並ぶ隙間がほとんどない状態です。
やっぱり自然に治るのは難しいですか?
この程度のガタガタだと、何もしなければ将来的に歯を抜いて並べる治療が必要になる可能性が高いです。
ただし、今の年齢であれば顎を広げることができるため、「抜歯を避けられる可能性」を残すことができます。
今やるメリットはそこなんですね。
はい。10〜12歳までは上顎の骨がまだ成長途中で、骨ごと広げることが可能です。この時期に介入することで、将来の治療の選択肢が広がります。
ただし、ガタガタの量が大きいため、拡大しても完全に抜歯を回避できるかはケースによって変わります。
将来的に抜歯になる可能性もあるんですね。
はい。見た目のご希望、特に口元をより引き締めたい場合などは、将来的に抜歯矯正が必要になることもあります。ただ、今の段階でそれを決める必要はありません。
今は「将来の選択肢を増やすためにできること」を優先するタイミングです。
わかりました。一度検討しようと思います。
まとめ
S.Tさんのケースでは、
・「歯列全体の叢生(ガタガタ)」に対して、顎の成長を活かした拡大によるスペース確保が有効であること
・将来的に抜歯が必要となる可能性も見据えつつ、まずは非抜歯での改善可能性を最大限に引き出すことが重要であること
という相談結果になりました。
今回の相談では、見た目としての「歯の重なり」や「前歯の位置」といったお悩みだけでなく、永久歯の大きさや本数バランス、顎の成長段階などを踏まえたうえで、将来的な治療の選択肢についても詳しくご説明しました。
特にS.Tさんのように、ガタガタの量が比較的大きいケースでは、成長期のうちに顎を広げることでスペースを確保し、将来的な抜歯リスクを軽減できる可能性があります。一方で、最終的な口元のバランスや審美的なご希望によっては、思春期以降に抜歯矯正を検討するケースもあるため、段階的に判断していくことが重要です。
小児矯正では、「今きれいに並べること」だけでなく、「将来どのような仕上がりを目指すのか」という視点が非常に大切です。S.Tさんのように成長のタイミングを活かせるケースでは、適切な時期に治療を開始することで、より負担の少ない方法で理想的な歯並びに近づけることが可能です。
歯並びや口元の印象でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。将来の選択肢も含めて、ご本人にとって最適な治療計画を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
