2026.3.26| 矯正相談集
「前歯のガタガタと出っ歯が気になる…」とご相談いただいたK.Aさん(8歳女の子)のケース
「前歯がガタガタしてきた気がする」「少し出っ歯っぽいのでは?」「ワイヤー以外の方法もあるのかな?」
お子様の歯並びについて、このようなお悩みを持つ親御様は少なくありません。
今回は、前歯のガタつきや出っ歯傾向を気にされて来院された、8歳の女の子・K.Aさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
ワイヤー矯正だけでなく、マウスピース矯正を含めた選択肢を比較しながら、成長期のお子様にとってどの方法が適しているのかを丁寧にご説明したケースです。
患者様情報
| 年齢 | 8歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
出っ歯傾向の咬み合わせをしています。
ご相談のきっかけ
K.Aさんは、もともとかかりつけの歯科医院で歯並びについて相談され、その後、矯正歯科でワイヤー矯正の説明を受けられていました。
ただ、親御様としては
「ワイヤー矯正以外の方法はないのか」
「マウスピース矯正でも対応できるのか」
という点が気になり、あらためて当院へご相談に来られました。
お子様自身も、歯並びのガタガタや出っ歯っぽさを少し気にされており、できるだけ見た目や負担にも配慮しながら治療方法を検討したい、というお気持ちがありました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今一番気になっているのは、前歯のガタガタや出っ歯でお間違い無いですか?
そうですね。前歯のガタガタと、少し前に出ている感じが気になっています。ワイヤー矯正の説明は受けたのですが、他の方法もあるのかなと思って…。
実際にお口を拝見すると、前歯のガタつきに加えて、真ん中のラインのずれもありますね。上の歯は少し右に、下の歯は少し左にずれているような状態で、上下の真ん中のラインにずれがあります。
なるほど…。やっぱりこのままだと自然にはきれいにならないですか?
残念ながら、今あるガタガタが自然に整うことはありません。
ですので、最終的には矯正治療で歯を並べていく必要があると思います。
そのためにはまず、歯が並ぶためのスペースを作ることが大切です。
お子様の年齢では、上顎の骨の中央にまだ“成長の継ぎ目”が残っているので、この時期に顎を広げることで、骨ごとスペースを増やすことができる時期です。
広げるというのは、前の医院で説明を受けた装置のようなものですか?
はい、考え方としては同じです。
ネジのついた装置やワイヤーを使って広げる方法もありますし、マウスピース矯正でも少しずつ拡大していくことは可能です。
方法は違っても、目指すゴールは「顎を広げてスペースを作り、その上で歯をきれいに並べること」です。
マウスピースでもできるんですね。
はい、できます。
ただし、ワイヤー矯正とマウスピース矯正にはそれぞれ特徴があります。
ワイヤー矯正は、装置が固定式なので確実に進めやすいのがメリットです。
一方で、マウスピース矯正は見た目が目立ちにくく、口内炎などのトラブルも比較的少ないですが、学校の間も含めてしっかり装着していただく必要があります。
つまり、マウスピースは「本人がきちんと使えるかどうか」がとても重要になります。
なるほど…。本人が頑張れるかどうかも大事なんですね。
その通りです。
また、K.Aさんの場合はガタガタだけでなく、出っ歯傾向もあります。
ですので、単に並べるだけではなく、前歯を適切な位置に誘導してあげることも必要です。
マウスピース矯正を行う場合には、顎間ゴムという小さなゴムを使って、上の前歯を後ろへ、下顎の成長を前向きに誘導するサポートをすることになると思います。
将来的にもっと口元を下げたいとなった場合はどうなりますか?
今の段階では、まずは歯を抜かずに、成長を利用しながらきれいに並べることを目標にしてよいと思います。
ただし、今後12歳、13歳くらいになってご本人がさらに口元を引っ込めたいと希望された場合には、将来的に抜歯矯正を検討する可能性はゼロではありません。ただ、現時点ではまず非抜歯で土台を整える方向で十分だと考えています。
なるほど。わかりました。次回の診断の予約をお願いします。
まとめ
K.Aさんのケースでは、前歯のガタガタ・真ん中のずれ・出っ歯傾向に対して、まずは成長期を活かして顎の幅を整え、歯が並ぶスペースを確保することが重要と考えられました。
また、単に歯を並べるだけではなく、
- 上下の真ん中のラインの調整
- 出っ歯傾向への配慮
- 将来的な口元のバランス
まで視野に入れながら、治療法を選択していく必要があるケースでした。
小児矯正では、見た目のガタガタだけでなく、顎の成長をどう活かすか、どのタイミングでどの装置を選ぶかがとても大切です。
特にK.Aさんのように、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方が選択肢となるケースでは、それぞれの特徴を理解した上で、ご本人に合った方法を選んでいくことが、無理なくきれいな歯並びにつながります。
お子様の歯並びや口元の印象が気になっている方は、ぜひ一度ご相談ください。
成長のタイミングを活かしながら、その子に合った治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
