2026.3.9 矯正相談集

「下の前歯のガタガタが気になって…」とご相談いただいたN.Nさん(7歳・女の子)のケース

「下の前歯がガタガタしてきた気がする」「このまま矯正した方がいいのかな?」…
お子様の歯並びが生え変わりとともに変化してくると、親御様が不安になるのは自然なことです。

今回は、歯科医院で下の前歯のガタガタを指摘され、「今のうちに相談しておいた方がいいのかな」と感じて来院された 7歳女の子 との初診相談時のやり取りをご紹介します。
今すぐ本格的な矯正を始めるべきか、それとも今は準備段階として何をしておくべきか――成長を見ながら考える当院の小児矯正の考え方についてもお伝えします。

患者様情報

年齢7歳
性別女性

初診時の画像診断

下の前歯にガタガタがあります。

少し受け口傾向の咬み合わせをしています。

ご相談のきっかけ

N.Nさんは、かかりつけの歯科医院で「下の歯が少しガタガタしてきている」と指摘され、矯正相談を考えるようになったそうです。
ただ、その場で「すぐ矯正した方がいい」と強く言われたわけではなく、「今ならまだ間に合う時期かもしれない」と言われたことで、かえって“気にしなくていいのかな”“でも今見てもらった方がいいのかな”と迷われていたとのことでした。

また、お友達が上にはめるタイプの装置を使っているのを見て、「こういうのをするのかな?」とお子様自身も少しイメージを持たれていたようです。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。
通われていた歯科医院では下の歯のガタガタを少し指摘されたとのことですね。

はい。すぐ矯正した方がいいとまでは言われなかったんですが、今ならまだ間に合うかな、みたいな感じで言われて気になって…。

そうですよね。このくらいの年齢だと、まわりでもまだ本格的に矯正している子はそこまで多くないですし、余計に判断が難しい時期だと思います。
前から見てみると、下の前歯のところにガタガタが出てきていますね。上も少しガタつく可能性はありますが、現時点では下の方が強くガタつきが出ています。

やっぱりこれからもっとガタガタしてきますか?

可能性はあります。
というのも、このあと生えてくる歯は乳歯より大きな歯が生えてきます。
ただ、まだお顔も顎も成長していく時期なので、その成長でどこまで顎が広がるかも見ながら判断していくことになります。
もう一つ大事なのが、噛み合わせです。
奥歯は大きく問題ないのですが、少しだけ下の歯が前に出ていて、受け口傾向があります。
今のところ強い受け口ではないですが、骨格的に少しそういう傾向があるかな、という見方です。

受け口なんですか?

今すぐ“受け口の治療が絶対必要”というほどではありませんが、受け口傾向はあると思います。
また、顎のサイズに対して歯がやや詰まっているので、将来的には少し広げる治療が必要になりそうです。

広げる治療って、友達がやってるような装置(拡大床)ですか?

そうですね。拡大床で、歯が並ぶスペースを作る治療があります。拡大治療を始めるタイミングは9歳前後が効率が良く進めれる時期となります。

じゃあ、今は何もできないんですか?

いえ、今できることはあります。
それが プレオルソ という装置です。これは本格的に歯を並べる矯正というより、“その前の準備”のような装置です。
お口の中の環境ってすごく大事で、舌の位置、口の閉じ方、口まわりの筋肉の使い方が歯並びに影響します。プレオルソは、そういったお口の機能を整えて、今あるガタガタや受け口傾向を少し良い方向に導いてあげる装置なんです。

どうやって使うんですか?

基本は寝る時と日中1時間に装着します。
この装置だけで全部の歯並びが完璧に整うわけではありませんが、今の時期にお口の筋肉や舌の使い方を良い方向にしておくことは、その後の本格矯正にもプラスになりますし、後戻りしにくい環境づくりにもつながります。
今のN.Nさんには、十分おすすめできる選択肢だと思います。

わかりました。検査の予約を取って帰ります。

まとめ

N.N.さんは、
「下の前歯のガタガタ」と「軽度の受け口傾向」に対して、将来的な本格矯正を見据えながら、まずはプレオルソによる口腔機能の改善と成長誘導を行うことが有効であること
・本格的に顎を広げて歯が並ぶスペースを確保する治療は、前歯の生え変わりがもう少し進んだ時期に行う方が効率的であり、成長のタイミングを見極めながら段階的に治療計画を立てることが重要であること
という相談結果になりました。

今回の診察では、見た目として気になりやすい「下の前歯のガタガタ」だけでなく、奥歯や前歯の前後関係から分かる軽度の受け口傾向、今後生えてくる永久歯の大きさと顎の大きさのバランス、さらにレントゲン上で永久歯の本数や向きに問題がないことまで含めて、多角的なご説明を行いました。
その結果、現時点では“今すぐ本格的に拡大装置を入れる時期”ではない一方で、このまま何もしなくても自然にきれいに並ぶ可能性は低いため、今の年齢でできる準備治療には十分意味があるケースと判断しています。

小児矯正では、単に歯を並べるだけでなく、舌の位置・口の閉じ方・口周りの筋肉の使い方といった、お口の環境そのものを整えることがとても大切です。
特にN.N.さんのように、まだ本格的な顎の拡大には少し早い時期では、プレオルソのような機能的装置を用いて、歯並びや噛み合わせが悪化しにくい土台を作っておくことが大きなメリットになります。

また、将来的に本格的な小児矯正へ移行する場合でも、先に口腔機能を整えておくことで、治療が進みやすくなったり、治療後の後戻りを減らしやすくなったりする可能性があります。
そのため、「今できること」と「今はまだ待った方が良いこと」を分けて考え、成長段階に合わせて無理なく進めていくことが大切です。

歯並びのガタガタや、受け口っぽい噛み合わせが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
今の年齢だからこそできる準備と、将来を見据えた最適な治療のタイミングを一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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