コラム

受け口は手術しないと治せない?矯正医が解説する手術なし矯正の可能性と治療の選び方

「受け口は、やっぱり手術しないと治らないの?」「手術と矯正、どちらが自分に合っているんだろう」

受け口(反対咬合)の治療を調べ始めると、こんな疑問を感じる方は少なくありません。

受け口の治療法は一つではありません。軽度から中程度であれば、矯正治療だけで改善できるケースも多くあります。一方で、骨格的なずれが大きい場合は、手術を組み合わせた「外科的矯正治療」が必要になることもあります。

重要なのは、自分の受け口がどのタイプで、どの治療法が合っているかを正確に見極めることです。「手術が必要かどうか」を判断するには、矯正治療と外科矯正の両方について知識と経験を持つ歯科医師に相談することが確実です。

当院では実際に、受け口の手術の要否が心配でご相談に来られる患者様がたくさんおられます。実際のご相談の様子は、こちらからご覧いただけます。

>>「歯が1本足りない」「受け口傾向がある」とご相談いただいたケース

本記事では、大阪大学歯学部附属病院 矯正科での外科的矯正治療の経験を持ち、日本矯正歯科学会認定医として300症例以上の治療にあたってきたなおき矯正歯科・小児矯正歯科、院長の吉田なおきが受け口の種類・手術の内容・手術なし矯正の可能性と限界について、わかりやすく解説します。

目次

受け口(反対咬合)とは?症状と3つのタイプ
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受け口とは、下あごが前に出ており、上下の咬み合わせが反対になっている状態です。正常な状態では、上の前歯が下の前歯よりも前に位置していますが、受け口の場合は、下の前歯が上の前歯よりも前に位置しています。

多くの場合、「受け口」は反対咬合の状態を指します。ただし、歯の咬み合わせが反対になっていなくても、下あごがしゃくれて見え、上下のあごの骨の位置関係が受け口になっている場合もあります。

「しゃくれ」と「受け口」はどう違うのか

「しゃくれ」とは、顎先が前に出ている見た目の状態を指します。あごの骨の位置関係が正常であっても、顎先だけが前に出ており、「しゃくれ」て見える場合があります。

一方で、前歯の咬み合わせが正常であっても、下あごが前方に位置し、受け口の骨格になっていることもあります。「しゃくれ」ている見た目と、「受け口」にみられる歯の咬み合わせは一致することが多いものの、必ずしも同じとは限りません。

「受け口」や「反対咬合」は、骨格と歯の傾きの組み合わせによって決まります。そのため、矯正治療を行ううえでは、何が原因で受け口になっているのかをきちんと見極めることが大切です。

受け口の3タイプ:歯性・骨格性・機能性

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受け口は、あごの骨格のズレと前歯の傾きのズレが組み合わさることで生じます。

どのようなズレがあるかによって、受け口のタイプも異なります。そのため、受け口の治療を考えるうえでは、まず「何が原因で受け口になっているのか」「どのタイプの受け口なのか」を正しく見極めることが大切です。

ここからは、受け口の3つのタイプについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

歯の傾きが原因の「歯性反対咬合」

歯性反対咬合とは、上の前歯が内側に、下の前歯が外側に傾くことで、前歯の咬み合わせが反対になっているタイプです。

あごの骨格に大きなズレがない場合は、前歯の傾きを整えることで反対咬合を改善することができます。歯性反対咬合であれば、比較的シンプルな矯正装置で改善できるケースもあります。

見た目としてはそれほど下あごが出ていないにもかかわらず、前歯だけが反対咬合になっている場合は、歯性反対咬合の可能性があります。お子さんが「そこまであごが出ているわけではないのに、受け口と言われた」という場合も、このタイプに当てはまることがあります。

顎の骨格が原因の「骨格性反対咬合」

骨格性反対咬合とは、上下のあごの骨格的な不調和が原因で生じる受け口です。上あごの発達が十分でない「劣成長」や、下あごが大きく成長する「過成長」によって、上下のあごのバランスが崩れている状態を指します。

骨格的なズレが軽度〜中程度であれば、歯の傾きや位置を調整する「カモフラージュ治療」によって対応できる場合もあります。一方で、重度の骨格性反対咬合では、手術を併用する外科的矯正治療が必要になるケースが多くなります。

骨格性反対咬合では、咬み合わせだけでなく、横顔にも受け口の特徴が現れやすい傾向があります。そのため、「反対咬合を治すだけでなく、横顔もきれいに整えたい」と希望される方もいらっしゃいます。

3つの受け口のタイプの中では、最も治療の難易度が高いタイプといえます。

噛みにくさを避けるために下顎を前に出すことで起きる「機能性反対咬合」

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機能性反対咬合とは、上下のあごの骨格的な不調和が軽度〜中程度であっても、上下の前歯が先端同士で当たって噛みにくい状態を避けるために、下あごを前方へずらして噛むことが習慣化している反対咬合です。

下あごを前方にずらして噛んでいるため、本来の骨格的なズレ以上に、受け口の状態が強く現れていることが特徴です。

小児期に歯科医院や検診で発見されることが多く、お子さんの場合は、早い時期に矯正治療を行うことで改善しやすいケースもあります。

受け口の手術とはどんな治療か?

受け口の手術とは?

重度の受け口では、手術を含めた治療が必要になる場合があります。手術を併用して受け口を改善する矯正治療を「外科的矯正治療」といい、ワイヤー矯正と手術を組み合わせて咬み合わせを整えていきます。

手術では、上顎骨や下顎骨などのあごの骨を移動させることで、上下のあごの骨格的な不調和を改善します。

治療は、一般的に次の3つの段階で進みます。

①術前矯正治療
手術の前にワイヤー矯正で歯並びを整え、手術後に上下の歯が安定して咬み合うように準備します。

②手術
全身麻酔下で、上あごや下あごの骨を適切な位置へ移動します。傷口が目立ちにくいように、基本的に手術は口の中から行います。

③術後矯正治療
手術後に、細かな咬み合わせを整えていきます。

治療期間は、全体で3年前後かかることが多いです。

外科的矯正治療では、手術によってあごの骨そのものの位置を動かすことができるため、骨格的な不調和から改善したい場合には必要となる治療方法です。日本でも年間3,000件以上行われている治療です。

外科的矯正治療の主な手術方法(SSRO・IVRO)

外科的矯正治療では、上あごと下あごの手術を組み合わせて行うことが多くあります。下あごの代表的な手術方法には、下顎枝矢状分割法(SSRO)と下顎枝垂直骨切り術(IVRO)の2種類があります。

SSROは、外科的矯正治療で最も一般的に用いられる方法の一つです。下あごの骨を前後方向にスライスするように分割し、適切な位置へ移動させます。骨を前後方向に分割することで、分割した骨同士の接触面積を広く確保でき、下あごの前後・左右への移動量を調整しやすいことが特徴です。

一方、IVROは下あごの骨を垂直方向(縦方向)に分割する方法です。SSROと比較して術式がシンプルなため、手術時間やダウンタイムが比較的短いことが特徴です。ただし、基本的には下あごを後方へ移動させる場合に用いられ、前後左右への複雑な位置調整には適していません。

上あごの手術では、多くの症例でLe Fort I型骨切り術が選択されます。非常に優れた術式で、理論上は上あごを前後・上下・左右など、さまざまな方向へ移動させることが可能です。

手術の流れ:術前矯正・手術・術後矯正の3段階

外科的矯正治療は、基本的に以下の3つのステップで進めていきます。

  1. 術前矯正治療(約1〜2年)
  2. 手術(入院は数週間)
  3. 術後矯正治療(約半年〜1年)

①術前矯正治療では、手術の前にワイヤー矯正を行い、上下の歯並びを整えます。手術後に上下の歯が安定して咬み合うように、手術後の咬み合わせを想定しながら歯並びを調整していきます。

②手術では、上あごにはLe Fort I型骨切り術、下あごにはSSROまたはIVROが選択されることが一般的です。手術の直前に入院し、手術後は数週間入院して術後の経過観察を行った後、退院するという流れが多くなります。

③術後矯正治療では、手術によって改善した咬み合わせの最終的な微調整を行います。手術後はあごの位置がまだ不安定なため、ゴムの力などを利用しながら咬み合わせを安定させていきます。

全体の治療期間は、2〜3年程度が一般的です(個人差があります)。

>>外科的矯正について詳しくはこちら

手術で保険が適用されるケースとは(顎変形症の診断)

あごの骨格的な不調和によって咬み合わせに異常が生じている場合、「顎変形症」と診断されることがあります。顎変形症と診断された場合、外科的矯正治療に健康保険が適用されるケースがあります。

顎変形症と診断される目安の一つは、骨格的なズレが大きく、咬み合わせなどに機能的な問題が生じていることです。一方で、審美的な改善のみを目的とする場合や、骨格的なズレが小さい場合には、健康保険は適用されません。

保険適用となった場合の費用は、通院回数などによって異なりますが、目安として約40万〜60万円程度です。

健康保険が適用されるため、一般的な自費診療の矯正治療と比べて、費用が大きく高額になることはほとんどありません。

受け口の手術を受けるデメリットとリスク

受け口の手術を受けるデメリットとリスク

「手術はできれば避けたい」という気持ちは当然です。では、実際に手術にはどのようなデメリット・リスクがあるのかをわかりやすく解説していきます。

①入院・全身麻酔・ダウンタイムが必要になる

手術は全身麻酔で行うため、1〜2週間程度の入院が一般的です。手術直後は顔の腫れが強く出やすく、あごの骨もまだ安定していないため、口を大きく開けることが難しい状態になります。

その後、状態は少しずつ改善していきますが、術後1〜2か月ほどは顔の腫れや口の開けにくさが残ることがあり、食事や仕事、日常生活に支障が出やすい時期があります。

大学生などでは、長期休暇を利用して手術を受ける方も多くいらっしゃいます。仕事や育児などでまとまった休みを取りにくい場合には、外科的矯正治療を始める段階から、手術の時期も含めて計画的に治療を進めていくことが大切です。

②術後の腫れ・しびれ・感覚麻痺が起こる可能性

手術には、一定のリスクが伴います。下あごの手術では、骨を分割する際に、近くを通る神経を損傷する可能性があります。神経が一部損傷された場合には、口まわりや頬にしびれや感覚麻痺が後遺症として残ることがあります。多くの場合は時間の経過とともに改善していきますが、症状が長引いたり、追加の治療が必要になったりする場合もあります。

また、手術によってあごの骨の位置を改善しても、周囲の筋肉などの力によって、骨の位置がある程度後戻りする可能性があります。完全に元の位置まで戻ってしまうことはありませんが、理想的な位置から少し戻る可能性がある点には注意が必要です。

③費用が高額になりやすい(保険適用外の場合)

あごの骨格的なズレが小さく、「顎変形症」と診断されない場合には、健康保険を適用した外科的矯正治療を受けることはできません。

顎変形症の診断がなく、自費で手術を行う場合には、矯正治療の費用と手術費用を合わせて150〜300万円を超えるケースもあります。また、矯正専門の歯科医院では、自費での外科的矯正治療に対応していない医院がほとんどです。当院でも、自費での外科的矯正治療は行っていません。

費用の目安は、保険適用の場合で約40万〜60万円、自費診療の場合では150〜300万円超となり、大きな差があります。

そのため、受け口の治療を検討する際には、まず矯正専門の歯科医院で、顎変形症に該当するかどうかをきちんと診断してもらうことが大切です。顎変形症と診断されれば、健康保険が適用され、費用を抑えて治療を受けられる可能性があります。

「手術を受けたくない」と感じるのは自然な気持ちです

ここまで外科的矯正治療についてお話ししてきましたが、手術に対して不安や怖さを感じるのは自然なことです。特に、全身麻酔のリスクや術後の痛み、手術によって顔立ちがどのように変化するのかといった点に不安を感じる方は少なくありません。

「できれば手術は避けたい」「手術を勧められたけれど、本当に必要なのか確認したい」「セカンドオピニオンとして詳しく話を聞きたい」という場合には、一度、矯正専門の歯科医院に相談してみることをおすすめします。

受け口であっても、症例によっては手術を行わず、矯正治療だけで改善できる場合があります。

手術なしで受け口を治せる条件とは?

手術をせずに受け口を治せる条件は、骨格的なズレが少ない場合です。つまり、骨格性反対咬合では手術が必要になる可能性が高い一方で、歯性反対咬合や機能性反対咬合では、手術をせずに受け口を治せる可能性が高くなります。

また、ご自身でも確認しやすい一つの判断基準として、反対咬合の状態から、ご自身で下あごを後ろに下げて噛んだときに、切端咬合(上の前歯と下の前歯の先端を合わせて噛む状態)をとれるかどうかがあります。切端咬合をとることができる場合は、手術をせず、矯正治療によって反対咬合を治せる可能性が高いと考えられます。

あくまで一つのわかりやすい判断基準ではありますが、ご自身で一度確認してみてもよいかもしれません。

矯正単独で対応できる受け口の主な特徴

歯性反対咬合や機能性反対咬合、また骨格的なずれが軽度〜中程度の場合は、矯正治療のみで改善できるケースが多くあります。

他院で「この子は将来的に手術が必要になる」と言われたケースでも、子どもの時期から骨格の成長を利用した矯正治療を行うことで、手術を行わず、矯正治療だけで治療できた例があります。

そのため、かかりつけの歯科医院で将来的に手術が必要になると言われた場合でも、一度、矯正専門の歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

骨格の成長を利用した治療では、上あごの成長期である8〜10歳頃までに矯正治療を行うことが大切なポイントとなります。それ以降になると上あごの成長が止まってしまい、骨格の成長を利用した治療ができなくなります。

歯列矯正による「カモフラージュ治療」とは

矯正治療によるカモフラージュ治療とは、軽度〜中程度の骨格性反対咬合に対して、歯の傾きや位置を調整することで、見た目と機能のバランスを整える治療方法です。

骨格そのものを手術で整える治療ではないため、あごの骨の位置は変わりません。つまり、反対咬合を改善することはできますが、骨格の位置は変わらないため、しゃくれた見た目そのものは変わりません。一方で、手術を避けながら反対咬合を治すことができるという大きなメリットがあります。

ただし、重度の骨格性反対咬合では、歯の傾きや位置を調整するだけでは反対咬合を改善できないことが多く、手術を伴う外科的矯正治療しか選択できない場合もあります。

カモフラージュ治療が適応となるかどうかについては、矯正専門の歯科医院で精密検査を受けたうえで判断してもらうことをおすすめします。

小児期・前歯の生え変わりのタイミングで改善しやすい理由

6〜8歳頃の前歯の生え変わり時期は、大人の前歯の傾きを少し調整することで、受け口を改善しやすいタイミングです。

乳歯列の時期は、下あごの成長も上あごに負けず活発な時期であるため、乳歯列で反対咬合がみられるお子さんは一定数いらっしゃいます。一方、6〜8歳頃の前歯の生え変わり時期になると、上あごの成長が下あごよりも優位になってくるため、この時期に反対咬合を改善しておくことは、将来の受け口を避けるという意味でも非常に重要です。

特に、上の前歯が生え変わる時期には、生えてきた上の前歯を無理のない範囲で前方に傾けることで、反対咬合を改善できるケースが多くあります。あごの骨がまだ成長途中であるため、この時期に早期介入を行うことは、将来的な手術のリスクを下げる可能性があります。

8〜10歳頃を過ぎると上あごの成長が止まってしまい、あごの成長を利用した治療ができなくなってしまいます。そのため、「もっと早く相談しておけばよかった」という後悔を防ぐためにも、受け口が気になったら、早めに矯正専門の歯科医院へ相談することをおすすめします。

ただし、早期に受け口の治療を行った場合でも、下あごの成長が非常に大きい方では、数は少ないものの、将来的に手術が必要になることもあります。

>>子どもの反対咬合の矯正についてはこちら

>>①当院での実際の治療例についてはこちら

>>②当院での実際の治療例についてはこちら

手術なしで行う受け口矯正:治療方法と装置の選び方

手術なしで行う受け口矯正:治療方法と装置の選び方

手術なしで受け口を治すにはいくつかの装置の種類があります。具体的な矯正治療の方法と装置について説明します。

ワイヤー矯正による受け口の治し方

矯正治療で最も一般的な方法の一つが、ブラケットとワイヤーを使用するワイヤー矯正です。ワイヤーの力を利用して、歯の傾きや位置を細かく調整します。

ワイヤー矯正は、歯の細かな傾きやねじれを整えることを得意とする装置です。また、歯科矯正用アンカースクリューなどの補助的な装置とも相性がよく、骨格性の要素がある場合には、アンカースクリューを併用することで歯を効率よく動かすこともできます。

受け口のうち、歯性反対咬合や軽度の骨格性反対咬合に対しては、ワイヤー矯正は適応範囲の広い治療方法となります。

ワイヤー矯正には、装置を歯の表側につける方法と裏側につける方法があります。一般的なのは表側につける方法です。裏側につける方法は、審美性を重視される方が選択することがありますが、治療の難易度が高くなるため、治療期間が長くなりやすい傾向があります。

>>大人のワイヤー矯正について詳しくはこちら

マウスピース矯正による受け口の治し方

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯の位置を少しずつ動かしていく治療方法です。

装置が目立ちにくく、取り外しができるため、見た目や日常生活への影響を気にする方に人気があります。その一方で、自分で取り外すことができるため、装着時間の自己管理がとても重要になります。

歯をしっかり動かすためには、ワイヤー矯正と同じくらいの時間、1日20〜22時間以上装着する必要があります。そのため、食事の時間を除いて、忘れずに装着することが必須条件となります。自己管理がうまくできない場合には、治療期間が長くなる傾向があります。

また、マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較すると、歯の細かな傾きやねじれを整えることが不得意なため、受け口に対する適応はワイヤー矯正よりも限定されます。

>>大人のマウスピース矯正について詳しくはこちら

マウスピース矯正が向くケース・向かないケース

軽度の歯性反対咬合や機能性反対咬合はマウスピース矯正でも対応できることが多いです。

一方、骨格的なずれが大きいケースや前歯の大きな移動が必要なケースはマウスピース矯正だけでは適切な歯の動きへの対応がしにくい場合があります。

「マウスピースで治せると思っていたが実際はうまく治らなかった」という後悔を防ぐため、事前の精密な検査と診断をすることが大切です。

矯正治療の期間と通院頻度の目安

手術を行わない矯正治療の期間は症例によって異なりますが、目安として2〜3年程度です(個人差があります)。

通院頻度は、ワイヤー矯正の場合は月1回程度、マウスピース矯正の場合は2〜3か月に1回程度です。

また、矯正治療では歯並びを整えた後に、歯並びの後戻りを防ぐための保定期間が必ず必要になります。保定期間では、取り外しのできる装置を使用して、きれいな歯並びを維持します。保定期間の目安は約2年で、通院頻度は3〜6か月に1回程度です。

実際に歯並びを整える治療期間(約2〜3年)と保定期間(約2年)を経て、矯正治療は終了となります。当院では、「いつ終わるかがわかる治療計画」を重視して治療計画を立てています。

手術なしの受け口矯正の限界について

手術なしの受け口矯正の限界について

手術を行わない受け口の矯正治療には限界があります。特に、重度の骨格性反対咬合では、手術を行わずに改善することが難しい場合があります。

また、もう一つ大切な点として、軽度〜中程度の骨格性反対咬合で、カモフラージュ治療によって反対咬合を改善できた場合でも、手術を行っているわけではないため、下あごの骨の位置そのものは変わりません。

つまり、反対咬合を改善することはできても、顎先の前後的な位置は変わらないということです。顎先の位置が変わらないため、下あごが前に出た「しゃくれ」ている見た目も基本的には変わりません。

このように、手術を行わない矯正治療では、歯の咬み合わせを改善することはできても、あごの骨そのものの位置を変えることはできないという点が、手術なしで行う受け口矯正の限界になります。

重度の骨格性反対咬合では、手術なしでの改善には限界がある場合も

先ほども述べたように、骨格的なずれが大きい場合(重度の骨格性反対咬合)では、矯正治療だけでは咬み合わせを十分に改善することが難しい場合があります。

「手術を行わずに矯正治療だけで反対咬合を改善した結果、見た目は以前より良くなったものの、咬み合わせや機能面では満足できる結果にならなかった」という後悔を防ぐためにも、受け口のタイプを正しく見極め、手術が必要かどうかを矯正専門の歯科医院で適切に診断してもらうことが大切です。

症例によっては、無理に矯正治療だけで進めることが望ましくない場合もあります。

完璧でなくても合格点には到達できる矯正治療

一方で、必ずしも100点の咬み合わせを目指す必要はなく、日常生活や機能面に支障がなく、見た目としても許容できる「合格点の咬み合わせ」を実現することが、治療の一つのゴールになる場合もあります。

大切なのは、患者様と現実的な治療のゴールについて十分に話し合うことです。手術を行わない矯正治療でどこまで改善できるのか、その結果が機能面・審美面の両方で「合格点」に届くのかをよく検討したうえで治療方針を決めていきます。実際に、手術を行わなくても十分に「合格点」に届くケースは数多くあります。

「完璧を目指して手術まで行うのか、それとも矯正治療のみで合格点を目指すのか」を患者様ご自身が納得して選択できるよう、カウンセリングでしっかりと話し合いながら、一緒に治療のゴールを目指していきましょう。

なおき矯正歯科・小児矯正歯科の受け口治療

なおき矯正歯科・小児矯正歯科の受け口治療

なおき矯正歯科・小児矯正歯科では「受け口の治療方針について相談してみたい」と感じている方のご相談を受け付けています。大学病院で難症例にも対応してきた経験から、様々な受け口治療に対応できる体制と患者様が安心して治療の選択ができる環境を整えています。

外科矯正の経験があるからこそできる、正確な手術の要否判断

院長は大阪大学歯学部附属病院 矯正科において外科的矯正治療を含む多数の難症例に携わってきた経験を持ちます。

「手術が必要か・矯正で対応できるか」の境界線を、実際の外科矯正の経験をもとに判断できることが強みです。

手術経験のない矯正医には見えにくい判断基準が、患者様の治療の選択に具体的な根拠をお示しすることができると思います。

日本矯正歯科学会認定医(歯科医師全体の約3%)として、精密検査のうえで最適な治療法を提案しています。

>>院長について詳しくはこちら

矯正と外科の両方に対応できる体制

当院ではワイヤー矯正・マウスピース矯正による矯正単独治療と、大学病院と連携した外科的矯正治療の両方に対応しています。

「矯正で対応できる範囲であれば矯正で、手術が必要なケースでは適切な手術体制へ」という方針のもと、患者が治療法を選べる環境を整えています。

受け口の重症度・希望・ライフスタイルに合わせて患者様にあった治療法をご提案できるようにいたします。

>>外科的矯正について詳しくはこちら

受け口でお悩みの方は、まず無料矯正相談へ

「自分の受け口は手術が必要なのか、矯正だけで治るのかを確認したい」という方は、まずは無料矯正相談(所要30〜60分)での来院をお待ちしています。

初診相談料0円・Web予約可能。検査診断(44,000円)を経て正式な治療計画を提示するため、相談だけなら費用はかかりません。お気軽にご連絡ください。

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まとめ:受け口治療は「手術が必要かどうか」を知ることが最初の一歩

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「受け口を治したいけれど、手術はできれば避けたい」「本当に手術まで必要なのか分からない」と不安に感じている方は少なくありません。

受け口だからといって、必ずしも手術が必要になるわけではありません。歯性反対咬合や機能性反対咬合、骨格的なずれが軽度〜中程度の場合には、矯正治療だけで改善できる可能性があります。一方で、骨格的なずれが大きい場合には、無理に手術を避けることで、咬み合わせや見た目に十分な改善が得られないこともあります。

だからこそ大切なのは、最初から「手術をする・しない」を決めることではなく、まず自分の受け口がどのタイプなのか、そして手術が本当に必要なのかを正しく知ることです。

また、治療のゴールも人それぞれです。「できるだけ理想的な咬み合わせや横顔を目指したい」という方もいれば、「手術は避けながら、日常生活に支障のない咬み合わせと納得できる見た目まで改善したい」という方もいらっしゃいます。どちらが正解ということではなく、ご自身が何を大切にしたいのかを踏まえて治療方法を選ぶことが大切です。

「手術が必要と言われたけれど、本当に他の方法はないのかな」「矯正だけでどこまで治せるのか知りたい」と思っている方も、まずは一度、矯正専門の歯科医院で相談してみてください。

なおき矯正歯科・小児矯正歯科では、手術を勧めることを前提にするのではなく、手術なしの矯正でどこまで改善できるのか、手術を行った場合には何が変わるのかをそれぞれお伝えしたうえで、一緒に治療のゴールを考えていきます。

受け口について悩み続けるよりも、まず「自分の場合はどんな選択肢があるのか」を知ることから始めてみてください。納得できる治療方法を一緒に見つけていきましょう。


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この記事の執筆・監修者

なおき矯正歯科・小児矯正歯科 院長

吉田 尚起 日本矯正歯科学会 認定医

大阪大学歯学部を卒業後、同大学院歯学研究科にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大阪大学歯学部附属病院 矯正科に7年間在籍し、小児矯正から成人矯正、外科矯正、口唇口蓋裂や骨格性の難症例まで、これまでに300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会 認定医(2023年取得)として、豊中市宮山町で、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

  • 日本矯正歯科学会 認定医(2023年取得)
  • 博士(歯学)/大阪大学大学院歯学研究科
  • 大阪大学歯学部附属病院 矯正科 元医員
なおき矯正歯科・小児矯正歯科 院長 吉田 尚起(日本矯正歯科学会 認定医)

本記事は、なおき矯正歯科・小児矯正歯科 院長・吉田 尚起(歯科医師/日本矯正歯科学会 認定医)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表等をもとに作成していますが、歯並びや咬み合わせの状態、適切な治療開始時期には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず矯正歯科にご相談ください。

〒560-0056 大阪府豊中市宮山町1丁目1−47

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