2026.1.29| 矯正相談集
「ガタガタは少ないけど、噛み合わせが深いのが気になって…」とご相談いただいた 7歳・女の子のケース
「歯のガタガタはそこまでないけど大丈夫?」「前歯が深く噛みすぎている気がする」
お子様の歯並びは“ガタガタ”だけでなく、噛み合わせ(深さ)や左右差が気になってご相談に来られる方も多いです。
今回は、7歳の女の子の初診相談時のやり取りをご紹介します。
当院では、ガタガタだけでなく、深い噛み合わせ・正中のズレ・顎の偏位の可能性まで含めて、将来を見据えた方針をお伝えしました。
患者様情報
| 年齢 | 7歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



歯のガタガタはあまりありませんでした。
噛み合わせが深いため、下の前歯の先端が上の前歯の内側の歯茎に当たっていました。
上下の前歯の真ん中のラインがずれていました。
ご相談のきっかけ
お母様は、これまでの歯科医院では
「今はそこまで必要ない」「もう少し様子見で」という説明を受けていたとのことでした。
一方で、ご兄弟はすでにガタガタが強く早めに矯正を開始しており、
「兄とは状況が違うけど、この子もこのままでいいのか知りたい」
ということで、改めて当院へご相談くださいました。
患者様との実際のやり取り
今日は、どこが一番気になりますか?
ガタガタはあまりないのですが、兄も矯正治療をしているので、矯正治療が必要かどうか知りたくて来ました。
スキャンして見てみると、ガタガタは強くありません。現状、歯の並びは良い方です。
ただ、気になるのは前歯の噛み合わせの深さですね。
本来、上の前歯と下の前歯は前歯同士の歯が当たるのが理想です。
しかし今は、前歯同士が当たっていません。下の前歯の先端が上の内側の歯ぐきに当たりそうな深さになっています。
前歯の真ん中が上下でずれているのを放っておくと、顔が歪んでしまうことはありますか?
今の段階で顎のズレが顔立ちに大きく影響している感じはありません。
ただ、ズレた噛み方が続くと成長でズレが悪化することもあるので、定期的に経過観察をしておきたいポイントです。
じゃあ矯正は今すぐ始めた方がいいですか?
今すぐやらないと手遅れというほどではありません。
ただ、噛み合わせの深さや顎のズレは、良いタイミングで矯正治療に介入し、短い期間で矯正治療を終える方が楽だと思います。
今はちょうど前から2番目の歯がこれから生えてくる時期なので、その歯が生えてきたタイミングで、もう一度しっかり矯正治療の必要性を判断するのが現実的だと思います。
それまではどうしたら?
それまでは定期検診で3ヶ月ごとくらいに噛み合わせを確認しながら、ズレが進んでいないか、噛み合わせが深くなっていないかを見ていく形が良いです。
矯正するなら、ワイヤーとマウスピースどっちですか?
どちらでも治療は可能です。
ただ、出っ歯傾向や噛み合わせの深さを治す時期が来たら、ワイヤーならヘッドギアなど成長を利用する装置、マウスピースならゴムかけ等を使って成長をコントロールしていきます。
わかりました。では、定期的なチェックをお願いします。
まとめ
7歳女の子のケースでは、
・「前歯の噛み合わせが深い傾向(過蓋咬合)」と「上下の歯の中心のズレ」がみられ、将来的な顎の成長や歯ぐきへの影響を考慮する必要があること
・現時点では歯のガタガタ自体は強くないため、すぐに矯正を始めるのではなく、生え変わりのタイミングを見ながら経過観察を行うことが重要である
という相談結果になりました。
今回の相談では、「歯並びが悪いかどうか」だけでなく、噛み合わせの深さや顎のズレ、今後の成長による変化に着目し、将来起こりうるリスクについて丁寧にご説明しました。
特に、深い噛み合わせが続くことで、前歯の裏側の歯ぐきに負担がかかる可能性や、噛み方のクセが成長とともに固定化してしまう点についてもお話しています。
小児矯正では、「今すぐ治す」ことよりも、適切なタイミングを見極めることがとても大切です。
今回のケースでは、側切歯(前から2番目の歯)の生え変わりを一つの目安とし、それまでは定期的な検診で噛み合わせや顎の成長をチェックしながら、治療開始の時期を判断していく方針としました。
お子様の歯並びは、見た目のガタガタだけでなく、噛み合わせや顎のバランスも重要なポイントです。
「今すぐ矯正が必要なのか分からない」「様子見で大丈夫か知りたい」という方も、ご相談に来られます。
お子様にとって無理のない、最適なタイミングと治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
