2026.5.25| 出っ歯の矯正相談集
「口元の突出感とガタつきが気になる…」とご相談いただいたU.Nさん(32歳・女性)のケース
「下の歯のガタつきが気になる」「口元が前に出ている感じがする」「前歯が欠けやすい」…大人になってから歯並びや口元のお悩みを感じ、矯正相談に来られる方は少なくありません。
今回は、歯並びのガタつきや口元の印象についてご相談に来られた32歳女性、U.Nさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。単に歯を並べるだけではなく、横顔や口元のバランス、将来的な噛み合わせまで考慮した当院の相談内容についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 32歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
お口元が出ているお顔立ちをされていました。
ご相談のきっかけ
U.Nさんは、「以前から歯並びは気になっていたが、最近下の歯が動くような違和感があり、矯正を考え始めた」とのことでした。
特に、下の前歯のガタつきや、前歯が欠けやすいことが気になっていたそうです。また、「口元が少し前に出ている感じがする」「リラックスすると口が閉じにくい」といったお悩みもありました。
以前、別の歯科医院では「下の歯を1本抜いて並べる方法」を提案されたそうですが、「本当にそれでいいのか不安だった」とのことで、専門的な意見を聞きたいと当院へご相談くださいました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
下の歯のガタガタです。あと、前歯が欠けやすくて…。口元もちょっと前に出てる気がしていました。
実際にお口の中を拝見すると、下の前歯にガタつきがあり、上下の前歯にも前後的に距離があります。こういった“出っ歯傾向”がある場合、前歯をぶつけたときに、欠けやすくなることもあります。
そうなんですね…。以前も前歯の詰め物が取れてしまって。
それも関連している可能性があります。
また、口元が少し前に出ているタイプなので、矯正で前歯を後ろに下げてあげることで、横顔や口元の印象もかなり変わる可能性があります。
別の医院では、下の歯を1本抜くって言われたんですが…。
もちろん治療方法の一つではありますが、歯並びがアンバランスになるため、今回はあまりおすすめしません。
下だけ1本抜くと、歯の真ん中のラインがずれたり、左右差が出たりして、最終的な噛み合わせや見た目のバランスに影響が出ることがあるんです。
なるほど…。じゃあ、先生ならどういう治療をおすすめしますか?
もし、歯並びだけでなく“口元の印象”までしっかり改善したいのであれば、上下の歯を抜歯してスペースを作り、前歯をしっかり後ろへ下げる治療が理想的だと思います。
特にU.Nさんの場合、口が閉じにくい感じもあるので、口元を整えるメリットは大きいと思います。
抜歯ってすごく大変なイメージがあったんですが…。
親知らずの抜歯とはかなり違います。
矯正で抜く歯は、普通に生えている歯を抜くので、腫れや痛みは比較的少ないことが多いですね。
それなら少し安心しました。
治療期間としては、全体矯正で約2年ほどを目安に考えていただければと思います。
ワイヤー矯正を中心に、必要に応じてアンカースクリューなども使用しながら、できるだけ効率よく口元を下げていく治療になるかと思います。
よく分かりました。一度家族で検討してみます。
まとめ
U.N.さんのケースでは、
・「前歯のガタつき」と「口元の突出感(いわゆる“口ゴボ”傾向)」に対して、上下顎の抜歯を伴うワイヤー矯正が有効であること
・単に歯を並べるだけではなく、横顔のEラインや口唇の閉じやすさ、噛み合わせ全体のバランスを考慮しながら治療計画を立てることが重要
という相談結果になりました。
今回の相談では、「下の前歯のガタつき」や「口元が前に出ている感じがする」といった見た目のお悩みだけでなく、前歯が欠けやすくなる原因や、口が閉じにくいことによる乾燥・磨き残しのリスクについても詳しくご説明しました。
また、以前他院で提案された「下の歯を1本だけ抜く矯正」についても、歯列の中心線や噛み合わせの左右差への影響を踏まえ、当院では全体のバランスを重視した治療方針をご提案しました。必要に応じてアンカースクリューを用いながら、前歯を適切に後方移動させることで、機能面と審美面の両立を目指す治療計画についてもお話ししています。
成人矯正では、単に歯並びを整えるだけでなく、横顔のラインや口元の印象、そして将来的な歯の健康まで含めてトータルで考えることが重要です。
特にU.N.さんのように、前歯の突出感や口元のバランスが気になるケースでは、抜歯矯正を適切に取り入れることで、見た目だけでなく噛み合わせや清掃性の改善も期待できます。
口元の印象や歯並びでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご自身にとって無理のない最適な治療法を、一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
