2026.2.7| 矯正相談集
「前歯が生えきらず、ガタガタが気になって…」とご相談いただいたF.Iさん(7歳・女の子)のケース
「前歯が生えきらないところがある」「これからガタガタになりそうで不安」
お子さまの歯並びは、生え変わりが進むにつれて急に見た目が変わりやすく、特に第一子のお子さまの場合初めての経験のため「これって普通?」「矯正はいつから?」と悩まれる親御様も多い時期です。
今回は、歯科医院で「そろそろ矯正も考えてみては…」と言われ、初めて矯正相談として来院されたF.Iさんの初診相談時のやり取りをご紹介します。歯並びの見た目だけでなく、レントゲンで“これから生えてくる歯の位置”も確認しながら、今後の見通しを整理してお伝えしました。
患者様情報
| 年齢 | 7歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。特に下の前歯のガタガタが大きいです。
前歯の真ん中がすきっ歯です。(正中離開)
前歯の真ん中のラインが上下でずれています。
ご相談のきっかけ
かかりつけの歯科医院に通う中で、生え変わりが進むにつれて前歯のガタガタが目立つようになり、「このまま様子を見て良いのか」「矯正が必要なのか」を相談したところ、プレオルソを使った矯正治療の開始を勧められたとのことでした。
保護者様としては、
「前歯がうまく生えきらないところがある」
「このまま自然に整うのか心配」
という不安があり、矯正について詳しく聞くために当院に来院されたとのことでした。
患者様との実際のやり取り
今、気になっているのは前歯のガタガタや生えきらない感じのところですか?
そうです。生え変わりが進んできて、前歯がガタガタしてきたのが気になって…。
たしかに前歯は重なりが出ていますね。上の2番目の歯はこれから生え変わるので、今の子供の歯より大きい大人の歯が生えてくることを考えると、スペースは少し足りないくらいになりそうです。
かかりつけの歯医者で、レントゲンでは隙間がないと言われたことがあって…でも実際どうなんだろうと。
レントゲンで見ると、確かにある程度のスペースはあります。ただし、永久歯は乳歯より大きいので、余裕が大きいわけではありません。
レントゲン写真で少し気になる点もあります。左上の前から5番目の永久歯が顎の骨の中でやや内側寄りに位置していて、今後そのまま内側に出てくると、生え変わりがスムーズにいかない可能性があります。
それって大変なことになりますか?
大丈夫です。もし生え変わりがうまくいかなかったとしても、最終的には乳歯を適切なタイミングで抜いて、必要なら矯正で内側に生えてきた歯を並べれば綺麗な歯並びにできます。
今の段階で大きな問題というより、そうなるかもしれないからと知っておくことが大切です!
それから、骨格も確認しますね。上顎と下顎の位置関係は良いバランスで、骨格的に出っ歯や受け口が強いタイプではありません。
なので、矯正治療の中心は“歯のスペース不足とガタガタの改善”になります。
プレオルソで済むなら…と聞いたことがあって。
はい、プレオルソは矯正の前段階として、お口周りの環境を整えるのに役立ちます。
ただ、歯を1本ずつ掴んで狙った位置に並べる力は弱いので、歯並びをしっかり整えるには、小児矯正としてワイヤーかマウスピースで並べる治療が必要になることが多いです。
その広げる装置って、家で回すタイプですか?
装置によります。家で回すタイプもありますし、来院時に調整するタイプもあります。
外せる装置は管理が必要、固定式は進みやすい、という特徴があるので、年齢や性格に合わせて一緒に選んでいきましょう。
顎を広げることでガタガタの歯を並べるスペースを獲得し、前歯を綺麗に並べることができます。
プレオルソから開始する場合には、今は矯正治療を始めるのにとてもいいタイミングです!
小児矯正から矯正治療をスタートする場合は約半年後から1年後(上の前から2番目の歯が生えてきたタイミング)にスタートするのもいいと思います。
わかりました。ありがとうございます。一度家族で相談します。
まとめ
F.Iさんのケースでは、
・前歯の生え変わりに伴うガタガタの出現と、永久歯が生えるためのスペース不足の可能性について、今後注意深く経過を見ていく必要があること
・現時点では骨格的な大きなズレはなく、顎の成長を活かしながら適切なタイミングで介入することが重要であること
という相談結果になりました。
今回の診察では、「前歯が生えきらない」「これから歯並びが悪くなりそうで不安」といったお悩みに対し、レントゲンを用いて永久歯の位置や本数を確認し、将来的な生え変わりの見通しについて詳しくご説明しました。永久歯の一部の歯がやや内側寄りに位置しているため、生え変わりの進み方によっては矯正的なサポートが必要になる可能性があります。
小児期の矯正では、すぐに歯を並べることよりも、生え変わりを妨げない環境づくりと顎の成長に合わせたスペース管理が非常に大切です。F.Iさんのようなケースでは、成長を見守りながら、必要な時期(プレオルソから開始?小児矯正から開始?)に無理なく矯正治療へ移行することで、将来的に安定した歯並びを目指すことが可能です。
お子さまの歯並びは成長とともに大きく変化します。
「今すぐ治療が必要かどうか分からない」という段階でも、まずは現状を正しく把握することが大切です。歯並びや生え変わりについて気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。お子さま一人ひとりに合った最適なタイミングと治療方針を、一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
