2026.6.4| 矯正相談集
「受け口が気になる…」とご相談いただいたR.Sさん(6歳・女の子)のケース
「前歯の噛み合わせが反対になっている」「このまま様子を見ていて大丈夫なの?」…。
お子様の受け口(反対咬合)について不安を感じている親御様は少なくありません。
今回は、受け口を気にされて来院された6歳の女の子、R.Sさんとの初診相談時のやり取りをご紹介します。
単に歯並びを整えるだけではなく、顎の成長やお口の機能まで考えた当院の小児矯正についてもお伝えします。
患者様情報
| 年齢 | 6歳 |
| 性別 | 女性 |
初診時の画像診断



前歯の噛み合わせが上下反対です。(反対咬合)
歯並びにガタガタがあります。
ご相談のきっかけ
R.Sさんは、「前歯が反対に噛んでいる」「受け口になっているのが気になる」とのことでご来院されました。
他院でも相談されたことがあり、舌のトレーニングや口呼吸の改善について説明を受けていたそうですが、「本当にこのままで大丈夫なのか」「今から矯正した方がいいのか知りたい」と思われ、矯正専門の歯科医院での相談を希望されました。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
前歯が反対になっていて、受け口が気になっています。
そうですね。実際に拝見すると、前歯は反対咬合の状態ですね。
受け口には、歯の位置だけが原因の場合と、骨格そのものが関係している場合があります。
R.Sさんの場合は、レントゲンやお口の状態から見ると、上顎の成長がやや不足していて、骨格的な受け口傾向があるように見受けられます。
骨格が原因だと自然に治ることはないのでしょうか?
残念ながら、骨格性の受け口は自然に改善する可能性はあまり高くありません。
特に上顎の成長は10歳頃までにほとんどの成長が終わってしまうので、10歳までの成長を利用できる時期に治療を始めることが重要です。
今からできる治療はありますか?
はい。R.Sさんの場合は、上顎を横に広げる治療と、前方へ成長を促す治療を組み合わせる方法が有効だと思います。
上顎を広げることで将来的な歯並びのスペースを確保しながら、フェイシャルマスクという装置を使って上顎の前方成長を促していきます。
装置は痛くないのでしょうか?
多少の違和感はありますが、強い痛みが出ることはほとんどありません。
特に成長期のお子様は骨が柔らかいため、比較的スムーズに治療を進めることができます。
舌のトレーニングだけでは難しいのでしょうか?
舌の位置や口呼吸の改善はとても大切です。
ただし、骨格的な受け口傾向がある場合は、それだけで改善することは難しいケースもあります。
そのため、機能改善と顎の成長誘導を並行して行うことが重要なんです。
よく分かりました。検査の予約をとって帰ります。
まとめ
R.Sさんのケースでは、
・骨格性の受け口(反対咬合)傾向が認められ、自然な改善は期待しにくいこと
・上顎の成長を利用できる成長期のうちに、上顎の拡大と前方成長を促す治療が有効であること
・口呼吸や舌の位置といった機能面の改善も、受け口の治療や将来的な歯並びの安定に重要であること
という相談結果になりました。
今回の相談では、見た目としての「受け口」や「前歯の噛み合わせ」といったお悩みだけでなく、骨格的な原因の有無や上顎の成長の状態、さらに口呼吸や舌癖といったお口の機能面まで含めて、多角的なご説明を行いました。
小児矯正では、単に歯を並べるだけではなく、成長発育を利用して顎のバランスを整えることが非常に重要です。特にR.Sさんのように、成長期の受け口傾向が認められるケースでは、上顎の成長を促す治療を適切なタイミングで行うことで、将来的な抜歯や外科的治療のリスクを軽減できる可能性があります。
また、舌の位置や口呼吸などの習慣を改善することは、顎の正常な発育をサポートし、より安定した治療結果につながります。
お子様の受け口や反対咬合、口呼吸などでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。成長期だからこそできる治療について、一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
