2026.5.29| 矯正相談集
「歯のガタガタが気になる…」とご相談いただいたK.Rさん(12歳・男の子)のケース
今回は、「歯並びのガタガタ」を気にされて来院されたK.Rさん(12歳・男の子)のケースをご紹介します。
「前歯が重なっている」「歯磨きがしづらそう」「このまま大人の歯がきれいに並ぶのか不安」――成長期のお子様の歯並びについて、このようなお悩みを抱える親御様は少なくありません。
K.Rさんは、歯並びのガタつきや磨き残しが気になり、矯正相談に来院されました。今回は、見た目の歯並びだけでなく、虫歯リスクやかみ合わせまで含めた当院の相談内容についてご紹介します。
患者様情報
| 年齢 | 12歳 |
| 性別 | 男性 |
初診時の画像診断



上下の歯並びにガタガタがあります。
上の歯並びの前から3番目の乳歯が左右ともに残っています。
磨き残しが多いです。
ご相談のきっかけ
K.Rさんのお母様は、「歯並びがガタガタしてきている」と感じておられたそうです。
特に、歯の重なりによって汚れが残りやすくなっている点や、口臭も少し気になるとのことで、一度矯正専門医院に相談したいと来院されました。
また、「マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらが良いのか分からない」という点についても詳しく知りたいとのことでした。
患者様との実際のやり取り
はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?
歯がガタガタしているのが気になります。あと歯磨きもしづらいです…。
そうですね。実際に拝見すると、歯並びのガタつきはそこまで重度ではありません。ただ、歯が重なっていることで汚れがかなり溜まりやすくなっていますね。
特に前歯や奥歯の周囲に磨き残しが多く、このままだと虫歯や歯肉炎のリスクが高くなってしまうと思います。
歯並びだけじゃなくて、歯磨きにも影響するんですね…。
はい。矯正治療は見た目を整えるだけではなく、将来的に健康な歯を維持しやすくする目的も大きいんです。
また、K.Rさんの場合、上下のかみ合わせにも少し問題があります。片側で上下の歯が交差している“交叉咬合”の状態があり、このままだと噛み方の偏りにつながる可能性があります。
なるほど…。治療は抜歯が必要になりますか?
現時点では、歯を抜かずに治療できる可能性が高いと思います。まだ生え変わり途中の歯もありますし、歯並びのガタつきも比較的軽度なので、スペースを調整しながら並べていけそうです。
マウスピース矯正でもできますか?
はい、可能だと思います。ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも対応できるケースです。
ただ、マウスピース矯正は“しっかり装着すること”がとても重要です。1日20時間以上つける必要があるので、本人の協力度が治療結果に大きく影響します。
一方で、ワイヤー矯正は固定式なので外せませんが、歯磨きが難しくなるデメリットがあります。K.Rさんの場合は、まず歯磨き習慣をしっかり整えることが非常に大切だと思います。
治療期間はどのくらいですか?
全体矯正になるので、おおよそ2年程度を目安に考えていただければと思います。その後は後戻りを防ぐための保定装置を使用していただきます。
なるほど。家族でも相談して、予約をとります。
まとめ
K.Rさんのケースでは、
・「歯並びのガタつき」や「上下のかみ合わせのズレ」に対して、抜歯を行わずに矯正治療を進められる可能性が高いこと
・ワイヤー矯正・マウスピース矯正のいずれにも対応可能である一方、歯磨き習慣や装置の使用状況など、治療への協力度が非常に重要になること
という相談結果になりました。
今回の相談では、見た目としての「前歯の重なり」や「歯並びのガタガタ」といったお悩みだけでなく、磨き残しによる虫歯・歯肉炎リスク、さらに交叉咬合によるかみ合わせへの影響まで含め、将来的な安定性と口腔環境を見据えた多角的なご説明を行いました。
成長期の矯正治療では、単に歯を整えるだけでなく、正しいかみ合わせや清掃性を整え、将来的に健康な歯を維持しやすい環境をつくることが重要です。特にK.Rさんのように、歯並びの乱れが比較的軽度で、骨格的なバランスにも大きな問題がないケースでは、適切なタイミングで矯正を行うことで、無理なく理想的な歯並びとかみ合わせを目指すことが可能です。
また、矯正治療を成功させるためには、歯磨き習慣の改善やセルフケアも非常に重要なポイントになります。当院では、治療前のクリーニングや歯磨き指導にも力を入れながら、長期的に安定した口腔環境づくりをサポートしています。
お子様の歯並びやかみ合わせ、歯磨きのしづらさなどでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご本人にとって無理のない最適な治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者情報
吉田 尚起
日本矯正歯科学会認定医
院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。
自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。
歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。
