2026.6.24 出っ歯の矯正相談集

「ガミースマイルと口元が出ているのが気になる…」とご相談いただいた30歳・女性のケース

「笑った時に歯ぐきが見えるのが気になる」
「前歯が出ていて、口元が前に出て見える」
「口を閉じる時に力が入ってしまう」…。

成人矯正のご相談では、歯並びそのものだけでなく、横顔の印象や口元の突出感、笑った時の歯ぐきの見え方まで含めてお悩みを伺うことがあります。

今回は、ガミースマイルと出っ歯、口元の出ている感じを気にされて来院された30歳女性の初診相談時のやり取りをご紹介します。

単に歯を並べるだけではなく、前歯の位置や口元のバランス、笑った時の見え方まで考えた当院の成人矯正についてもお伝えします。

患者様情報

年齢30歳
性別女性

初診時の画像診断

出っ歯の傾向があり、お口元を閉じるときに力が入っています。

奥歯の関係も出っ歯の関係です。

歯並びにガタガタがあります。

リラックスした時に上の前歯の見える量が大きいです。

ご相談のきっかけ

こちらの患者様は、

「ガミースマイルが気になる」

「出っ歯と口元の突出感が気になる」

「普段から口が閉じにくく、意識して閉じている」

とのことでご来院されました。

ご自身では無意識のうちに口を開いていることがあり、ふと鏡や窓に映った顔を見た時に、唇が少し開いていることが気になるとのことでした。

また、口元の見た目だけでなく、口が開いていることによる印象や、感染症対策の面でも気になっているとお話しくださいました。

患者様との実際のやり取り

はじめまして。今、一番気になっているところを教えていただけますか?

ガミースマイルと、出っ歯と、口元が出ている感じが気になっています。
あと、口も閉じにくいです。

そうですね。
今、力を抜いた状態でお口元を見せていただくと、自然に閉じようとした時に少し力が入りやすい状態ですね。
口を閉じる時に、あご先にシワが入るような感じもあります。

はい。それが結構気になっています。
普段は閉じるように意識しているんですが、ふと自分の顔が映った時に、少し口が開いているなと思うことがあります。

お口のスキャンを見ても、前歯が少し前方に出ている傾向があります。
横から見ると、前歯の位置が前にあることで、唇を閉じるまでの距離が長くなっている状態です。
そのため、口を閉じようとすると、どうしても唇やあごに力が入りやすくなります。

矯正で口元は引っ込みますか?

はい。
今回のように口元の突出感を改善したい場合、前歯を後ろに引くことが大切になります。
ただし、歯を抜かずに治療する場合、前歯を後ろに下げられる量には限界があります。
奥歯を少し後ろに動かしたり、歯の横幅を少し削ってスペースを作ったりしても、下げられる量は限られます。
一方で、前から4番目の歯を抜くことで、そのスペースを使って前歯を大きく後ろへ引くことが可能になります。

やっぱり歯を抜く必要がありそうですか?

今回のお悩みが「口元を引きたい」「口を閉じやすくしたい」という内容であることを考えると、抜歯を伴う治療が適している可能性が高いと思います。
基本的には、上下左右の前から4番目の歯を抜いて、そのスペースを使って前歯を後ろに引く治療方針が考えられます。
歯並びのガタガタ自体はそこまで強くありませんが、口元をしっかり下げるためには、抜歯によってスペースを確保することが重要になります。

ガミースマイルも改善できますか?

ある程度の改善は期待できます。
前歯を後ろに引くことで、唇が前歯に乗り上げる感じが減り、口が閉じやすくなる可能性があります。
ただ、ガミースマイルについては、前歯を後ろに引くだけでは十分に改善しないこともあります。
笑った時の歯ぐきの見え方を改善するには、前歯を上方向へ持ち上げる治療が必要になる場合があります。

前歯を持ち上げるというのは、どういうことですか?

前歯の位置を少し上に移動させることで、笑った時に歯ぐきが見える量を減らす方法です。
そのためには、通常のワイヤー矯正に加えて、矯正用アンカースクリューという小さなネジのような装置を使います。
矯正用アンカースクリューで、歯ではない部分に固定源を作ることで、前歯を効率よく持ち上げたり、前歯を後ろに引いたりしやすくなります。

以前相談した医院でも、矯正用アンカースクリューを使うかもしれないと言われました。

そうですね。
今回のケースでは、前歯を後ろに引くためにも、ガミースマイルを改善するためにも、矯正用アンカースクリューを使った方が治療の確実性は高まると思います。
奥歯の位置をできるだけ保ちながら前歯を引くために使う場合もありますし、前歯を上方向へ持ち上げるために使う場合もあります。
本数としては、最低でも2本、場合によっては4本程度使う可能性があります。

矯正用アンカースクリューは痛いですか?

設置する時は、虫歯治療と同じように麻酔をして行います。
小さなネジのような装置を歯ぐきに入れるイメージですが、装置自体がものすごく痛いというものではありません。
また、矯正用アンカースクリューは治療が終われば外します。
最終的に外す前提の装置なので、逆に途中で緩んだり外れたりすることもあります。
もし外れた場合は、必要に応じて打ち直しを行います。

治療はワイヤー矯正になりますか?

今回のように、前歯をしっかり後ろに引きたい場合や、ガミースマイルの改善も考える場合は、ワイヤー矯正が適していると思います。
歯を抜いてスペースを作り、そのスペースを使って前歯を後ろに引いていきます。
また、前歯の高さや奥歯との噛み合わせも見ながら、全体のバランスを整えていきます。

拡大装置は必要ですか?

現時点では、拡大装置を使う予定はあまりありません。
拡大装置は、歯列を広げることでガタガタを改善するためのスペースを作る目的で使うことがあります。
しかし今回のケースでは、抜歯によって十分なスペースを確保できる可能性が高いため、無理に広げる必要は少ないと考えています。
また、前歯を後ろに引くことで、V字に見える歯列も自然にU字型に近づいていきます。

治療中に歯ぎしりや食いしばりがあっても大丈夫ですか?

歯ぎしりや食いしばりがあるからといって、矯正治療ができないわけではありません。
ただ、日中も強く噛みしめる時間が長い場合、歯が動きたい方向に動くのを妨げてしまうことがあります。
そのため、治療のペースが少しゆっくりになる可能性はあります。
夜間の歯ぎしりはご自身で止めるのが難しいですが、日中の食いしばりはできるだけ意識して減らしていただくことが大切です。

矯正中に虫歯ができたり、妊娠した場合はどうなりますか?

虫歯については、まず矯正中に虫歯を作らないように管理することが大切です。
小さな虫歯であれば、装置を外さずに治療できることもありますが、大きな虫歯や装置の近くにできた虫歯では、一時的に装置を外して治療することもあります。
妊娠については、基本的には矯正治療を継続できることが多いです。
ただし、お腹が大きくなって長時間寝ているのがつらくなる時期や、出産前後で通院が難しい時期は、通院間隔を空けることがあります。
その場合、治療期間が延びる可能性はありますが、治療自体を中断する必要はありません。

治療期間はどれくらいですか?

抜歯を伴うワイヤー矯正の場合、メインで歯を動かす期間はおおよそ2年前後が目安になります。
その後、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りを防ぐために、リテーナーという保定装置を使います。
リテーナーの期間も含めると、治療後の経過観察までしっかり行うことが大切です。

よく分かりました。一度検討してみます。

まとめ

30歳女性のケースでは、

・「ガミースマイル」と「出っ歯・口元の突出感」に対して、上下顎の抜歯を伴うワイヤー矯正が有効な選択肢になること

・前歯を後方へ引くだけでなく、歯ぐきの見え方を改善するために、必要に応じて矯正用アンカースクリューを用いて前歯の位置をコントロールすることが重要であること

・口元を引き込みすぎてしまうと、将来的に口元が寂しく見えたり、老けた印象につながる可能性があるため、横顔・笑顔・リラックス時の前歯の見え方まで含めて治療計画を立てる必要があること

という相談結果になりました。

今回の相談では、「笑った時に歯ぐきが見える」「前歯が出ている」「口元が出ていて口が閉じにくい」といった見た目のお悩みだけでなく、前歯の傾きや奥歯のかみ合わせ、抜歯による口元の変化、ガミースマイル改善のための矯正用アンカースクリューの必要性についても詳しくご説明しました。

成人矯正では、単に歯をきれいに並べるだけでなく、横顔のEラインや口元の印象、笑った時の歯ぐきの見え方まで含めて全体のバランスを整えることが重要です。特に今回のように、口元の突出感とガミースマイルの両方が気になるケースでは、抜歯によって前歯を後ろに引くだけでなく、前歯の高さや唇とのバランスを見極めながら治療を進めることが大切です。

また、治療中の歯ぎしり・食いしばり、虫歯のリスク、妊娠などによる通院ペースの変化についても確認し、生活背景に合わせて無理なく治療を進める方法をお話ししました。

ガミースマイルや出っ歯、口元の突出感でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。歯並びだけでなく、横顔や笑顔の印象まで含めて、ご自身にとって無理のない最適な治療法を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修者情報

吉田 尚起

日本矯正歯科学会認定医

院長である吉田なおきは、国立大阪大学歯学部、および同大学院にて矯正治療を専門に学び、博士号を取得。大学病院にて7年間にわたり研鑽を積み、300症例以上の矯正治療に携わってきました。

自身も歯並びのコンプレックスを克服した経験から、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや心身の健康を考えた治療を心がけています。

歯科医師全体の約3%しか取得していない日本矯正歯科学会認定医として、お子様から大人の方まで、未来の笑顔をサポートします。

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